本日ワタクシ、バースデイ・イブ。

この歳になってバースデイもねーだろと自分で突っ込んだりするものの、いやいやこの歳だからこそ大騒ぎした方がいいだろうとのことからペンを取っております。そんでもって今日は『浅草秘密基地』だから、いやあ、世の中ってのはうまくめぐるものですな。

今日は46歳最後の日で、明日から47歳かあ。なんて考えていたら思い出したぞ31年前の今夜のことを。『15歳最後の夜』って詞を書いた。なんだか血気盛んな言葉が並んでいて結局曲にならなかったけど、キチンと保管しておけば笑えただろうな。覚えている一節は、眼前に広がった２つの路から選ぶならいばらの道とかそんなのだったから、曲になっていなくてよかったよ(笑)。

このころから、当時組んでいたバンドはオリジナルの必要性を感じて、なんとなく流れで僕が作詞作曲を担当するようになり生み出し始めた。初めてつくった曲はそれはひどいもので、今でも赤面してしまう。タイトルは『反逆のバイブル』だって(爆笑)。パープルやツェッペリンをコピーしていたからこそのハードナンバーだった。ひどいものではあったものの、生み出すのとそうでないのとでは雲泥の差があることを知った。絞り出すように自分と対峙することで、努力の方向性が見えてくる。人様の曲を聴きながらスゴいところがわかるようになっていく。そしてまた次を生み出すと、また違った反省点や発見があり、新たに参考にする部分が見えてくる、いい連鎖となる。生まなければ絶対に感じなかったことをわからせてくれたのは大きく、今でも歌う17歳のときにつくった曲もある(少々若々しくて照れるが)のは、２年の月日が促した成長の賜物と思えなくない。ともかく、生まなければなにも始まらず、生めば生んだで悩み苦しむを確認した頃が31年前の自分だった。それは曲づくりを始める前から少しずつ経験していたことで、だからこそ自然と曲づくりにも入っていけのだろう。

年齢とともに、いろんなことがしんどくなっているのは皆さん一緒でしょう。ただ、去年の今頃は思い出したくないほどしんどかった。震災によって仕事のキャンセルが相次いで、その影響に本格的に苦しみ始めたのが46歳の誕生日頃だった。この先もっとしんどいことがあるかもしれないが、これまでの人生ではもっとも厳しい思いをしたのが46歳という１年だったと将来振り返るかもしれない。少なくともこれまででは間違いなくナンバーワンだ。まあそれも、正月を迎えてすーっと潮目が変わり、少しずついい方へと転がっていったからこんなふうに余裕で振り返れる。こうして明日向かえる47歳はガンガン攻めたいものだ。

四捨五入したら50歳とかいうレベルでなく、あと３年でとの現実味を帯びてきた。いったい50歳ってどうよ？　思い描いてきた大人とはかけ離れている気がするのは、たぶんみんなそうなんだろうな。こんなにも落ち着きがなくて先が見えず、でも希望や夢もきちんとある。仲間とはもっと難しい話をしている大人をイメージしていたが、酒を呑みながら騒いでいる内容はなんら成長の後が見られない。でも少しだけ素直になれて、やさしさの本質がわかってきた気がする。仲間と呼べる存在の大切さがわかり、求める気持ちが強くなっているから、自分を着飾っていたものを１枚１枚脱ぎ始めた。流れた年月分の傷を心にたくさん負って、臆病になったし計算もできるようになった。本物が持つすばらしさが理解できて、そこへ向かっていきたい憧れを強く持っているのと同時に、難しさに苦しんでいる。…とまあ、なんとも発展途上のこんな自分が50歳の大台に向かっているのだから、よっぽどふんどしを締め直さなければならぬ。と、今宵はうまいビールをグビグビと呑り、またきっと緩んでしまうのだろう。