おっといけねえ、昨日はSIONさんの新譜の発売日だったぜ。昭和35年生まれでメジャーデビューから26年、四半世紀以上歌い続けてきた男だ。最新号に対談を掲載しているので、ぜひご覧いただきたい。
ページでも触れているが、このアルバムには昭和40年男に向けての曲を作っていただき、収録してもらった。もちろん、他の世代にも十分通用する歌だが、少なくともお願いした酒の席で話し込んだことが盛り込まれていると勝手ながら感じている。『独り善がりのアウトローより』とタイトルされたこの曲は、シンプルな言葉で深く染み入ってくる。曲について解説させていただくが、あくまで僕の勝手な解釈である。
かつての自分、アウトローを気取っていた昔の自分がいる。ウンウン、確かに無茶苦茶だったな。僕の場合は中学時代から20代前半までは恥ずかしくなるくらいひどい。我がままな主張を繰り返して、人を傷つけることもあった。周囲と違っていることに価値感を見出して、大声でまき散らしていた。だけど大人の階段を上るたびに曲げていかなければならないことや我慢を知っていく。悶々としながらだが仕方なく、歩いていかなければならぬ。でもそんな風にいろんなことを身にまとっていくことだってかっこいいことなんじゃないかと。そう、かつての自分、独り善がりのアウトローよりも。とのワンコーラス目になっている。
これをを受けて、守る者のために踏ん張る自分、今へと話が展開する。“お前”を守っていきたいが、まだまだ力が足りない。もっともっと走らなければならない。多くの昭和40年男がかかえていることだろう、家族の幸せを守っていきたいが大変な世の中である。でも俺たちは諦めちゃいけない。その努力に終わりなんかなくて、まだまだこれからで始まったばかりだ。社会の波をまともに受けながらもなりふり構わず前へといく、今こそがすばらしいと思える自分を練り上げていく。そんな歯ぎしりする自分がかっこいい、そう、独り善がりのアウトローよりも。
皆さんがどう受け止めるかはそれは聴き手次第だから押し付ける気はさらさらないけど、僕はこんな風にとらえて聴き込んでいる。ぜひ皆さんの解釈で聴いてみてほしい。なんだかSIONさんのPRマンのようだがそんなんじゃなく、デビューの翌年ら初めて彼の歌に触れて以来の大ファンで、ライブにもちょくちょく出かけてきた。偶然に偶然が重なって曲をお願いできて、そして世にリリースされたことが純粋にうれしくてならない。