マツダは、2012年8月29日から9月9日まで開催される2012年モスクワモーターショーに、5年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型『マツダ アテンザ(Mazda6)』のセダンモデルを世界初公開する。
新型『アテンザ』は、今年2月に発売され好評の『CX-5』に引き続き、エンジン、車体、トランスミッションといった基幹部品における同社の次世代車両技術群である「SKYACTIV技術」とデザインテーマ「魂動-Soul of Motion」を全面採用した新世代商品の第二弾に位置づけられるモデルだ。さらに同社独自の減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」搭載第一弾でもある。
『i-ELOOP』は、乗用車用として世界で初めて蓄電器にキャパシターを採用した減速エネルギー回生システム。キャパシターは、大量の電気を素早く充放電でき、繰り返し使用しても劣化が少ない特徴をもっている。これによって減速時の車両の運動エネルギーを効率よく電力に変換し、エアコンやオーディオといった各種電装品に使用することで、頻繁に加減速がある実用走行時には約10%の燃費改善効果が見込めるというもの。減速エネルギー回生は、モーターやオルタネーター(発電機)を用いて、減速時のクルマの運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し再利用する技術で、ハイブリッド車など大容量の電気モーターや専用バッテリーを搭載している車種では積極的に採用されている低燃費技術だ。マツダは、運転中の加減速のメカニズムに着目し、一回の減速でより大量の電気エネルギーを回収できるようにすることで、ハイブリッド車のように特別なモーターやバッテリーを持たない一般の乗用車でも高効率な減速エネルギー回生を行えるとしている。
充放電プロセスはこうだ。走行中にアクセルをオフした瞬間から、最大25Vの電圧でオルタネーターによって発電し、キャパシターを数秒で満充電にすることができる。この電力をDC/DCコンバーターで12Vに降圧し、直接エアコンやオーディオなどの電装品の電力として供給するほか、必要に応じてバッテリーの充電も行なう。減速の度にこのプロセスを繰り返すことにより、従来エンジンによる発電で消費していた燃料を減らすことができる。
発表された画像によると、外観はトヨタ『86』を思わせるヘッドライト形状に大型グリルを組み合わせたもので、かなり迫力のあるデザインのようだ。パワーユニットは直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」、トランスミッションは6速ATの「SKYACTIV-Drive」を搭載するという。好評の『CX-5』に続くマツダの次世代主力モデルがどのような評価を受けるか、気になるところだ。