【S40News!】キヤノン初のミラーレスカメラ「EOS M」発表!

キヤノンは、ミラーレスカメラ『EOS M』を9月中旬より発売する。価格はオープン。

ファインダーに像を誘導するための反射鏡(レフレックスミラー)を持たないレンズ交換式デジタルカメラとして、ミラーレスモデルが人気を集めている。光学式ファインダーを持たず、基本的には液晶画面をファインダー代わりとすることで、ボディの大幅にコンパクト化できるミラーレス機は、レンズ交換による撮影の楽しみと、高画質、そして持ち運びの利便性を高い次元で融合できることから、各社から発売されてきた。しかしながら、ミラーレス機はこれまでのエントリー型一眼レフとの競合が発生するため、2大カメラメーカーであり、長年一眼レフカメラの雄として君臨してきたニコンとキヤノンの両社は、様子見の状況が続いていた。ところが、昨年にニコンが『NIKON 1』を投入してミラーレス市場に参戦し、高い人気を集め、キヤノンも開発を進めていると噂されていた。今回のキヤノンの参戦により、ミラーレス市場がさらなる盛り上がりを見せることになりそうだ。

EFおよびEF-Sレンズを使用するためのマウントアダプター「EF-EOS M」
『EF 70-200mm F2.8 L IS II USM』を装着したところ

さて、この『EOS M』は、EOSの基本コンセプト「快速・快適・高画質」を継承しながら、ミラーレス構造を採用したレンズ交換式デジタルカメラだ。気になる交換レンズシステムには新開発となる「EF-M」マウントを採用している。これは同社の一眼レフシリーズの既存システムであるEFマウントと同じく3本爪のバヨネットマウントで、完全電子制御方式だ。同時発売のマウントアダプターにより既存EFレンズがすべて使用できる。また、アクセサリーシューを備え、ストロボ関連機器やGPSユニットを始めとしたEOS用アクセサリーも共用可能だ。内蔵ストロボは非搭載となる。

撮像素子には『EOS Kiss X6i』と同等となる位相差AF用センサー内蔵の有効1,800万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーが採用された。ニコンが13.2×8.8mmという、マイクロフォーサーズよりは小さく、一般的なコンデジの採用する1/2.3型よりは大きいという微妙なサイズの撮像素子を採用してきたのと好対照といえる。撮像面(CMOSセンサー)に位相差AF用の画素を組み込むことで、ライブビュー撮影や動画撮影におけるオートフォーカスの高速化を実現している。また、超音波振動によるゴミ除去機能も搭載しているという。手ブレ補正機構はレンズ側に搭載する。

動画は1,920×1,080ピクセルのフルHD記録が可能で、ステレオマイクを備えている。液晶モニターは約104万ドットのタッチパネル式3型TFT、記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードだ。電源は専用のリチウムイオン充電池を使用している。

『EOS M』は、斬新さは感じられないものの、これまでのEOSシリーズの資産を最大限に活かし、全体に手堅くまとめこまれた製品のように見受けられる。Kissシリーズにほぼ準じた性能を持っており、ミラーレスモデルの中でも高画質タイプに分類できるだろう。APS-Cサイズの撮像素子、幅広いラインナップのEFレンズへの純正対応、アクセサリーシュー標準搭載というのが、本モデルの大きなポイントであり、特に同社の既存システムとの親和性が高く、同社製レンズやアクセサリーを持っている人にとってはセカンドカメラとして魅力的な選択肢となりそうだ。キヤノンのミラーレス機が市場にどのように受け入れられるか、注目していきたい。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で