皆さ~ん、しつこいですが3番勝負ですよ~!! 投票だけでなく、なぜこの1票とのコメントをいただけるとさらにうれしいのでヨロシク。
解説を続けてきた3番勝負のトリは女性シンガー対決だが、これ実は阿久悠さんの筆による詞から探して、昭和40年男にとってガチンコだろうとの対決にした。まずは八代亜紀さんの舟歌はいうまでもなく男歌だ。声にバッチリとあった染み入るような歌唱は、八代演歌の最高傑作のひとつだろう。傷ついた男を演じたい気分を満たしてくれる。これまさに健さんワールドで、実際に使われたのはシーンは最高だったね。僕も大人になったらあんなシーンが似合うかなと思い浮かべていたのだが、それとはほど遠く焼酎をガブガブ呑んでガハハと笑っているおバカ中年になってしまった。せっかくこんなにいい教科書を、中学生にして聴いていたのに情けない。
調べて見ると昭和54年の大ヒット曲で、同年の紅白で大トリを務めている。中2のことでこの紅白はきっと家族で見ていたことだろうが、残念ながら鮮明な記憶はない。だが八代亜紀さんが紅白でこの曲を見事に歌いあげているシーンは脳裏にしっかりと残っている。加えて『雨の慕情』で、出場者たちと手を振り振りするのも記憶に鮮明だ。
一方の都はるみさんの『北の宿から』は一転、女の情念を歌った歌で、着てはもらえぬセーターを寒い部屋で編んでいるシーンが思い浮かぶ曲だ。レコーディンクでコブシを禁止されたと聞く。それが見事にハマり女らしさを演出している。たしかに『アンコ椿は恋の花』のような豪快すぎるコブシは聴かれないが、ついついライブでは出てしまうらしく♩おんな~♩あたりはどうしても伝家の宝刀を抜く。それもまたよかろう。
それにしても双方の詞は冴え渡っている。阿久悠さんの歌詞は情景を思い浮かばせて、そこにどんな意味を感じるかは聴き手や歌い手に任せている。たったあれだけの言葉でどこまでの絵を見せてくれるんだよと唸ってしまう。この対決となった2曲は演歌版の最高峰で、主人公がどんな想いを抱いているかは聴き手次第であり、とくに『北の宿』が放っている男と女の関係は、どうとでも解釈できる。阿久悠さんおそるべしじゃ。さあ、皆さん、投票してくれ。