第2号・大編集後記 〜元気と夢は読者に届くか〜

これまで俺は何度も創刊を手掛けてきた。
それはすべて趣味の世界の専門誌で、
たとえば得意のバイクという明確なジャンルがあるなかで
ライダーから多数の支持を受けることを構築していけばよかった。
それがカンタンというわけではもちろんないが、
見えてくる部分があるのは確かだ。
勉強して研究して、第六感を振りかける感じ。

だが今回の『昭和40年男』という雑誌がこれまでとまったく違うのは、
不特定多数のさまざまな考え方やライフスタイルを持つ人たちに向けて、
多くの共感を得られる世界をつくりあげなくてはならないのである。
今まで得意としてきた手法と多くの部分で異なる方法が求められた。

創刊号で取り出したのは、ヒーローだった。
それもただの懐古ではなく、
今の俺たちが明日へと向かうためという取り上げ方をしなくてはならない。
本当の主眼はヘッドコピーでメッセージした
“明日への元気と夢を満載!”
が、とにかくこの本のベクトルなのであるということを決定して、
自分の中にとにかく強烈にぶち込んだうえで、ヒーローというテーマを利用したのだ。

元気と夢?
ホントにそんなもんが現在の昭和40年生まれの男たちに必要なのか?
俺のマスターベーションじゃないのか?
いい雑誌ができたと思う反対側で
そんなことを思いながら過ごした創刊号発売からの約1ヶ月だった。
加えて先に述べたように、世間に知らしめる予算はゼロだったのである。

しか〜し、えっへん。
この苦しい戦いに見事勝利宣言を出せた。
単純に売れたのである。
よし、通用する。
担当者から俺に連絡があったときは、自然と涙があふれた。
やったー、やったよと。

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2件のコメント

  1. これからも、いつまでも、ヒーローは心の中に存在していますよね。
    昭和40年男の人生にヒーローは不可欠ですから。

  2. カッコ良いこと、カッコつけることがいつの間にか恥ずかしくて笑われることになってしまい、ヒーローって存在もなくなってしまいましたが、手が届きそうにないスターやヒーローを隠し持ってた人は多かったと。そして仲間がいて嬉しかったです。ありがとう。

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