ロック界最強のドラマーは誰か? ギターマガジンやサウンド&レコーディングの元編集長で、『昭和40年男』でもガリガリと仕事をこなしてもらっている川俣と、何度も繰り返し盛り上がってきた酒のつまみ話だ。互いの主張がくつがえるわけないのに、議論を続けるのは不毛なようでいてなんとも楽しい時間でもある。
「なんてったって、ポリスのスチュワート・コープラントでしょう。シンクロニシティのツアービデオを見るとビートで泣きますよ。次点がジェフ・ポーカロ」と僕が仕掛けると「逆でしょう。ポーカロがナンバーワン。ロザーナのシャッフルはスゴイ」と返される。
最新号の142ページに注目してほしい。トトのドラマーとして名を轟かせたジェフ・ポーカロの作品集が発売になるのを記念しての企画ページだ。試聴版を聴かせてもらったが、このアルバムすこぶる楽しい。昭和40年男たちにとっては、懐かしの洋楽ベストアルバムといってもいい選曲なのだ。そして当然のことながら、演奏のクオリティがメチャメチャ高い。グルーブとの言葉をはめるのにしっくりとくる、さすがロック界ナンバー2(笑)ドラマーの演奏だと唸るばかりだ。ボズ・スキャッグスのバックバンドがキッカケになり結成されたトトは、メンバー全員が極上のプレイヤーなうえすばらしい楽曲の数々を生み出し、中高時代はずいぶんと聴き込んだたものだ。その極上プレイヤーたちを束ねてすばらしい演奏へと引っ張ったのは、まぎれもなくポーカロのドラムによるもので、同時期に活躍したポリスとともにリズムのおもしろさを、まさしく僕らに叩き込んでくれた。
今回のアルバムにもトトの仕事が収録されている。そしてゲストで参加した数々の名演奏、名曲がズラリと並んだ。かつてシングル盤で聴き込んだ、ラリー・カールトンの『ルーム335』がポーカロだったとは、今日まで知らなかったのはなんとも恥ずかしい話だ。この曲とマイケルジャクソンの『ビート・イット』、トトの『ロザーナ』あたりを聴き比べるとおもしろい。同一人物であるなと深く頷く部分と、別人じゃないかと疑うほどのビートの違いが楽しい。ドラマーで絞ったコンピがあること自体が驚愕だったが、1枚目のセールスがすこぶるよくて続編となったことのこと。それはジェフ・ポーカロの仕事だから売れるアルバムになったわけで、CDが売れない時代といわれるが、そこは企画次第ってことなのだ。発売はまだちょっと先の8月1日だから、しばしの我慢じゃ。
世界最強のドラマーですか?
個人的には、コージーパウエルかドンヘンリーですね♪( ´θ`)ノ
でもホントは、リューベンだったりして(^_^)ゞ