本誌Vol1.10の『タメ年のスゴいやつ』に登場してくれた医師・山本敏晴の著書『世界で一番いのちの短い国』(小学館文庫)が、17刷りのロングセラーで好評につき文庫化された。
山本は南アフリカにて人種差別問題に衝撃を受け、中学校の頃から数十か国を撮影し、国際協力の道へ入り、医師として写真家として、主に開発途上国で医療活動に従事し、国々の実態をカメラで伝えている。これまで国際的な医療団体や援助団体に所属したこともあったが、現在は自らNPO『宇宙船地球号』を主宰し「後世に残していける援助」を探り、実戦している。
その山本の著書『世界で一番いのちの短い国』に登場するアフリカ・シエラレオネ共和国は、平均寿命が世界で一番短い国なのだそう。2003年にWHOが発表した『世界保健報告』でも、同国は最下位の34歳で、その原因は長引く内戦がもたらした医療施設や井戸などの破壊や、医者・看護師などの医療従事者が国外逃亡してしまったことが大きいと考えられている。山本はそんなシエラレオネ共和国で医療事情を改善すべく奔走する。
本書には、破壊された医療施設を再建したり、病院スタッフの育成など、その過程や方法や、活動においてのシリアスな出来事や笑えるエピソードなどが綴られている。
本誌のインタビューで山本が繰り返し述べた「ずっと続いていける社会」という言葉。支援を必要とする人たちが、ずっと安心して暮らしていける手助けが「ずっと続いている」ことが大事なのだと。世界で一番いのちの短い国に派遣された山本が、目の前のいのちを救っていき、その国の未来のため、帰国後もざまな活動に取り組み続ける。「本当に意味のある国際協力」を求め続けるタメ年医師の奮闘記をぜひ手にとってみてほしい。
■山本敏晴(@yamamoto1208)on Twitter
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