次号のPRをかねて、今回の制作を振り返りながらの大編集後記をお送りしている。特集は『ラジオ』で組むことになり、メインコンテンツが定まらないまま、作業は次々と進んでいった。悶々の日々をグタグタと議論を重ねて、やっと見つけた答えは『スネークマンショー』だった。誰もが聴いていたわけじゃないことは百も承知だが、自信をもってこれに決めた。
アングラっぽい感じでありながらドカンドカン笑わせるセンスとリズム。それまで知っていた笑いとはまったく異次元のシュールさがあった。ちょいと話はそれるが、ドリフターズの笑いがなんとなく物足りなくなった僕らがステップアップしたのは『ひょうきん族』でなく、実は『スネークマンショー』だったのだと、この特集を組んでみてそう確信した。多くは『ひょうきん族』だったかもしれないが、それはテレビというマスツールだからであり、『スネークマンショー』を聴いた覚えがある昭和40年男だったら、今僕にいわれてハッとさせられたはずだ。
10代の前半と重なっていることが大きい。テレビは家族と共有したものだったが、ラジオは自分だけが自らの意思で情報を取りに行く、すなわち嗜好を選択することだった。しかももっも多感なときだ。そうして入っていったラジオの世界に、これほど革新的な番組が待ち受けていたのは奇跡であり、ものすごくありがたいことだ。ティーンの僕らの感性をどれほど鍛えてくれたことだろう。昭和40年男を含むほん数年のベルトにいる世代がこの恩恵にあずかっているのだ。
ジュリーの歌声や初めて聴いた洋楽も感性を鍛え上げてくれたすばらしいコンテンツだが、それはラジオでなくとも取りに行けた。だが『スネークマンショー』はラジオでなければダメだった。今回のラジオ特集のメインとして十分なだけでなく、全体に漂わせるイメージまでもがまとまったのだった。つづく。
スネークマンショーですか!やったーって感じです!
前回のローカル昭和40年男呑み会で、メインテーマにしました。
全員どストライク!・・・と思いきや、知らない…と言う人も。
でも、「ヒアウイゴー エブリバディ カモン ロックンロール」のフレーズで、「あ〜、知ってる知ってる。」となりました!
記憶は薄れてしまっていても、想い出はちょっとした切っ掛けであっという間に蘇るもんです。