令和5年、昭和98年である。そう、『昭和40年男』の提唱する「還暦上等」イヤーまであと2年となった。昭和40年生まれなのだから、昭和100年に還暦を迎える。こんなあたり前田のクラッカーながら、誰も騒いでいなかった。コロンブスの卵的な発想で、騒ぎ始めるべきだと4年前に内外の関係者を集めて、『昭和40年男』にしては規模の大きな会議を開いた。昭和100年祭をぶちかます。そいつをできるだけ大きな規模にしたい。今から育て始める。とぶち上げて、この年の 9月11日発売号 (vol.57) で『還暦上等』という特集を組むと宣言したのだ。奇しくもこのタイミングが、『昭和40年男』の10周年記念号なのだ。まるで導かれたかの如くだ。
が、多数集まってもらった関係者たちの反応は極めて鈍かった。俺だったら買わないという意見も出た。そう、こうして意見を出せることこそ我が編集部の誇るところで、作る上では長もへったくれもなくただただおもしろいものを目指す。この会議の時点ではまだ誕生日前の僕は53歳だった。集めた皆さんも当然ながら同世代だから、反応が鈍いのはわかる。が、僕は曲げずにこれでいくと断行した。普段では信じられないほどの強権ぶりで、これは文化事業だと押し通したのだった。
となれば、みんなが全力で本を作る。出来上がったこの一冊は傑作だった。傑作ながら、まだ50代前半が多くのターゲットである『昭和40年男』がこの特集では、販売は苦しいだろうと分かって打ち込んだ。この覚悟で打ち込んだのだから、自分で言うのもなんだが「還暦上等」への並々ならぬ思いと自信があったのだ。
さあ、あと2年だ。加速させたいしもう具体的に詰めないといかん。提唱し始めた昭和93年よりも強力な仲間が増えている。その輪に今だったらまだ入れるから、力を貸してくださる企業さんや団体さんは名乗りを上げていただきたい。みんなみんな、この指と〜まれな気分の正月だ。