今日はこれからイベントで、しばしキーボードをマイクに持ち替えてのお仕事となる。しかも今日のイベントは『カワサキオーナーズU29ミーティング』との名称がついた、29歳(Under29)以下の若きカワサキオーナーを対象としたもので、なんでおっさんがしゃべるのか突っ込みどころはあるが、ともかくぶっ飛ばす。人口のピラミッドが崩れてしまったことで、バイクだけでなく国内の様々な“遊びビジネス”が危機に瀕していることはいうまでもなく、それぞれみなさん苦しんでいることだろう。人口ピラミッドのせいだけでなく、様々な要因が重なってのことだから始末が悪い。とはいえ、ただ指をくわえて見ているわけにはいかず、努力に努力を繰り返していかなければならぬと踏ん張っている。
カワサキは数年前に、低迷する国内の250ccクラスに革新的なモデルを投入した。そこそこ走るどちらかといえばビギナー向けの性能でありながら、フルカウルをまとった戦闘的なフォルムに身を包んだ『Ninja250R』だ。タイで製産して逆輸入のカタチで販売するから価格をグッと抑えられた。さらに国内だけでなくワールドモデルとしたことも低価格を実現した要因だ。このモデル投入時には賛否両論が巻き起こり、玄人ぶりたい方々の槍玉に頻繁にあがった。だがそんなくだらないネガティブを吹き飛ばして、久しぶりに国内マーケットに刺激を与える結果となったのである。グダグダ言って殻に閉じこもって自らの首を絞めるよりも、打って出る方がステキなのは古今東西変わらないことを証明した。久しぶりに若者がワンサカ入ってきてくれたのだから。
昭和40年男にとってバイクとロックは若者の象徴だったが、いまや双方ともおっさんがメインターゲットになっている。くどいが打って出れば若者は動く。数は減っているうえ、刺激を受けにくくなっているのかもしれないが、そこを理由に放棄しているから動かない。ハッキリといえるのは、動かないのではなく動かそうとしていないことが問題なのだ。
と、前置きが長くなったがある日「せっかく入ってきてくれた若者をライダーとして留めておきたい」との宿題を出された。「へいへい、なんか考えます」と、しばらくほったらかしにしてしまったが、ある日思いついたのがこのミーティングである。年齢縛りは『昭和40年男』をやっていることが影響したかもしれない。せっかく入ってきた若者同士の交流の場を、我々おっさんでつくろうとの提案に関係者一同で盛り上がり、去年今年と関東で開催して今日はいよいよ初の地方巡業となる。しかもあまりにも遠い福岡は、アウェイに感じる。
今日の僕の役目は、しゃべりをサポートしてくれる若い女の子と男の子に踏みつけられながらがんばり、たまに説教をぶちかますという典型的なおっさん業である。少しでもいい想いをして楽しんで帰ってもらいたいと、大声を出し続けるつもりだ。さて、どうなることやら。うまくいったら後日歓喜の声をここで上げるだろうが、ダメだったら皆さん静かに忘れてあげましょうね。だがともかく、打って出なければ若者の心は動かない。古いヤツだとお思いでしょうが、僕は僕のやり方で若者たちに熱いものを目一杯の力を込めて打つべし打つべし。