暮れてゆく令和4年である。ほんと〜に早く過ぎ去ったとお嘆きの貴兄に、じっくりと今年を振り返っていただきたくお届けしている このシリーズも、新緑まぶしい5月 (vol.73) がやってきた。夏休みを前にこの夏は子供… いやお孫さんかな。一緒に恐竜の自由研究の材料にしてほしいと組んだ特集だ。名付けて『俺たちだけの 恐竜博物館』とバッチリと決まった。
『昭和40年男』の表紙は、ほぼ毎回ぶっ飛んでいる。それは読者を限定しているからこそ通用するのであって、マスに訴えていくならこんな勝負は避けるだろう。だがなんせウチは、俺たち世代のことだけを考えればいいのである。胸を張って一般誌を名乗っているが、こんなにわがままなのが存在していいのだろうかといつも幸せに思っている。
特集の落とし所としては、昭和の恐竜と現在の恐竜の対比だ。大昔のことで進歩というのは違和感があるが、これほどいろんなことがわかってきたことに驚愕する。これをメインにして、さりげなく俺たち世代が大好きな “怪獣” への進化を入れた。そして最後には「今こそ会いに行く」として、それこそお孫さんの笑顔のために一肌脱ぐ準備にしていただくことにしたのだ。多くの証言者にもご登場いただいて賑やかな構成になり、これは一つの傑作だなと大満足で新緑の季節を謳歌した。
が、いつも買ってくれている大阪の友人からダメ出しが来た。そしてそして、発売からウォッチしている書店の動きも悪い。えーっ、うっそーの気持ちでいっぱいなのだが、この傑作は低評価に終わってしまった。うーむ。実は、僕の好きな本で失敗したのはわりと多く (ダメじゃん) 、この一冊はその仲間入りとなってしまったのさ。いいよいいよ、次で挽回するからとふんどしを締め直したのだった。