師も走るほどに忙しい。

師走の語源は諸説あるそうだが、師匠の僧がお経をあげるために、あちこちへと馳せ参じる月とする「師馳す (しはす) 」との解説が散見される。うん、これでいい。今日は全国津々浦々で「師走ですなあ、早いですなあ」なんて言葉が交わされていることだろう。

 

会社で使っているカレンダーはついに最後の一枚となった。ちょっとだけ解説させていただく。このカレンダーは『ヨーロッパの美しい村』というタイトルで、カメラマンの吉村和敏さんによる12枚の写真で綴られている。その名のとおり「美しい」風景ばかりで、今月はトルコのギョレメという地だ。彼の熱烈なるファンの友人からいただき大変気に入っていて、仕事場の一番いいところに飾ってある。ちなみに吉村さんは同世代の昭和42年男だ。

 

さて、残りの31日を走るわけだがみなさま、箱根駅伝の予想は立ちましたか? いや、そこじゃねーだろっ。忘年会の予定はいかがなものだろうか? って、これも違う気がしなくもないが、残念ながらやはり全開というわけにはいかないことだろう。それでも、3年ぶりにやるかっという宴がプログラムされた方は多いのではあるまいか? 僕もうれしい誘いが舞い込むものの、残念なことにお断りする場面も増えた。ってほど、諸々と立て込んでいて、まさしく走れ走れである。

 

▲こちらは自宅の居間で一年ホッコリさせてくれる、弟の会社のものだ。ホッキョクグマの親子に、師走の疲れを癒してもらうことになる

振り返るのはまだ早いかもしれないが、今年もたくさんの本を発行した。弟の『昭和50年男』が無事に締め切りを乗り越え、あとは『昭和40年男』の増刊号と、来年の一発目となる vol.77 (おっ、7のゾロ目とはこいつは春から縁起がいいわい) の作業を残しているのみだ。今年はほぼコロナ以前に戻ったイベントも「浅草秘密基地」を残すだけになった。その千秋楽が26日に行われる「日本一早いクリスマスパーティ」である。予約は定員まで残り1枠だ。そこで決めかねているあなた、すぐに申し込みなさい

 

何年か前の天声人語で、作家の津村記久子さんがエッセーで「一年でいちばん好きな日は、多分大晦日だと思う。」と書いたのをネタにしていた。ウンウンと激しくシンパシーして切り抜いてあり、12月になると必ず読む。どうか良いお年をで締めているから、おそらく大晦日に掲載されたものだろう。いいものですな、日本人。

 

その大晦日にいよいよ向かっていくぞという今日もまた、ささやかな幸せを感じている。どんな12月になるだろうか。そして、どこまで晴れやかな気持ちでその大晦日を迎えることができるだろうか。気持ちに雲ひとつなく迎えられるように、激しく走ろうじゃないか。いやいや、のんびりでもいいかな、俺たち世代は。でもともかく、走ることだけはしっかりと心がけたいですな、友よ!!
 

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