不定期連載企画、懐かしの名盤ジャンジャカジャーンのシリーズ第9弾は、ザ・バンドでお送りしている。ずいぶんと長いこと語ってきてしまったが、そろそろ決着の日が近づいてきた。
バイト先の先輩に強烈レコメントされて聴き初めたザ・バンドは、グイグイと僕の中に入ってきた。しかもそれは、解散コンサートのドキュメントフィルムなのだから少々イビツである。ならばあらためて頭から聴こうとデビューアルバムの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』を新品で購入した。この頃は御茶の水と上野にあったすばらしい中古レコード店に入り浸っていて、よっぽどでないと新品では買わなくなっていた。つまり多大なる期待を寄せていたのだ。ザ・バンドのアルバムはジャケットのアートワークも魅力だから、そこも新品で買った一因であり、ちなみにこのとき購入したジャケットは我が家の壁でアートとして飾られている。この絵はボブ・ディランによって描かれたものだ。
購入した帰り道の記憶がある。『ラスト・ワルツ』はいわばベストアルバムであり、このデビュースタジオ盤が退屈だったらとせっかく見出したスーパーバンドだけにショックがデカイだろうなとちょっと心配した。だが針を落とした1曲目で、杞憂だったことに胸を撫で下ろしたのだった。その後、1枚ずつ買い揃えていき、やがてCDで買い直し、紙ジャケの誘惑に乗り、どんだけザ・バンドに金を使ってきたことやら。
ザ・バンドは、68年から毎年1枚ずつのアルバムをリリースしていたが、71年に4枚目となる『Cahoots/カフーツ』を出してそのペースは極端に鈍化した。72年には待望のライブアルバム『Rock Of Ages/ロック・オブ・エイジズ』(これも新品で買った宝物だ)を出すが、スタジオ録音はなし。翌年の『Moondog Matinee/ムーンドック・マチネー』はスタジオ盤だが全曲カバーでつくられた変化球であり、純粋にオリジナルアルバムとは呼びづらい(とはいえ大好きな作品だ)。74年はボブ・ディランのバックバンドとして『Planet Waves/プラネット・ウェイブ』のレコーディングに参加し、その発売と同時に大々的に行った全米ツアーの模様を熱気とともに封じ込めた名盤『Before the Flood/偉大なる復活』もリリースしたが、オリジナルアルバムはなかった。
3年の空白を挟んで75年にリリースされたのが『Northern Lights – Southern Cross/南十字星』で、事実上の最終作品となった。このアルバムも大好きな作品で、秋の夜長に酒を呑みながら聴くのにピッタリだ。サウンドの緻密さとクオリティでいったらこれまでのスタジオ作品で最も高く、ソングライティングもすばらしい。だがセールスはふるわなかった。人気絶頂期に満を期してのリリースで、評論家も絶賛したそうだが、なぜこのアルバムが支持されなかったの明確な理由は見当たらない。ただひとついえるのは、ロビー色が極端に強い。『Music From Big Pink/ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』と『The Band/ザ・バンド』での、メンバーの個性がしっかりと出ていながら、キチンと調和が取れている音とはあきらかに異なる。
またこの頃のロックスターのほとんどが抱える問題と言える、ドラッグ中毒が深刻になっていった。リチャード・マニュエルはひどい状態だったそうで、どさ回りから一転してスターダムに上り詰めたバンドに暗雲が立ちこめた。そしてもうひとつ、解散へと向かう問題が徐々に大きくなり始めた。(つづく)
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