アントニオ猪木よ、永遠なれ ~大編集後記。

 

またも昭和の巨星が逝ってしまった。『昭和40年男』でも大活躍してくださった猪木さんに向けて、哀悼ページを巻末に作った。執筆はウチの本にはなくてはならない存在の堀江ガンツで、少し以前に『闘魂と王道 -昭和プロレスの16年戦争-』を刊行したばかりだ。『昭和40年男』に掲載した昭和プロレスにまつわる過去の記事を本人が加筆、精査してずらりと並べ、巻頭には書き下ろしで猪木さんの最新インタビューを掲載している。今回のページには、このインタビューを反映してくれている。猪木さんへの愛とプロレスへの深い考察が入りまじった、たった2ページながらずしりと重いページが、最新号 (vol.76) のアンカー記事になっているのだ。

 

俺たち世代にとって格別の存在であることは言うまでもない。俺たちは、仮面ライダーやウルトラマンといったバーチャルのヒーローによって、幼少の頃よりどんなピンチも諦めないど根性を育まれた。その素地に対して、さらに人生レベルで教えてくれたのがアントニオ猪木であり、彼を中心としたプロレスブームだった。やはり感謝しかない。

 

8月のNHKの大型歌番組を録画してある。以前、病床より見させられた映像からは信じられないほど元気で、若干の痛々しさはあったがそれも猪木なんだと、彼は何のオブラートも包まずカメラに収まっていた。ヒーローはやはりどんな時も諦めないのだと、今また教えてくれたのだった。そしてもっともっと回復することを確信した矢先の訃報だった。

 

連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』では 昭和55年を取り上げて「スタン・ハンセン、猪木をやぶりNWFヘビー級王者に」という4ページを組んでいる。こちらも堀江ガンツのペンによるもので、当然ながら猪木さんとの魂のやりとりが主題となっている。奇しくもこちらも哀悼ページになってしまったのは残念でならないが、俺たちを熱狂させたプロフェッショナルたちの根性は今の俺たちにも必要なスピリットだ。ぜひ読み込んでいただきたい。

 

堀江は哀悼ページをこう締め括った。僕も一寸の狂いなく共感である。

燃える闘魂の炎は決して燃え尽きることはない。我々ファン一人ひとりが猪木からもらった闘魂の火種をこれからも生涯燃やし続けていくことだ。

合掌。

 

 

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