昭和55年、中3の俺たち 〜大編集後記。

 

昨日までは 巻頭特集についてつぶやいてきたが、今日よりは第2特集であり連載の『夢、あふれていた俺たちの時代』から つぶやいていく。昭和の一年を切り取ってお届けしている特集の今回は、昭和55年にフォーカスした。

 

リアル昭和40年男は翌年に受験を控えていた。ぼんやりとだが、将来のことを考えることがグーンと増えた年だからか、想い出の数々の鮮明度が上がる。そんな年の、俺たちにとっての「こころのベストテン」がこれだ。担当編集者たちが、悩みに悩んでセレクトする重いページで、今回も納得の構成で僕に異論はない。

 

「空前の漫才ブーム」が1位である。この年、漫才は “MANZAI” になった。’80年代への突入はこんなところでもキラキラしているのだ。そしてブームは過熱の一途で、翌年には『オレたち ひょうきん族』が始まる。“俺” でなく “オレ” なのがやはり ’80年代である。余談ながら、『昭和40年男』が多用しているシンパシー用語の “俺たち” は、弟の『昭和50年男』では “オレたち” なのだ。ここんところは考え抜いて決定しているが、実はこれらの本を作るずっと以前にこうして提示されていたのである。そして『オレたち ひょうきん族』によって、『8時だョ! 全員集合』が終焉へと向かっていくのだ。’70年代のスーパースター、ドリフターズは、キラキラした ’80年代からは遠ざけられた。これにものすごく寂しさを感じた僕だから、『昭和40年男』のシンパシー用語は “俺たち” なのだ。これでいいのだ。

 

同じく ’80年代突入のキラキラを感じさせられるのが 松田聖子さんのデビューで、山口百恵さんの引退との対比はよく語られる。2位と6位になっていることも、さすがうちの編集担当である。3位にランキングされた YMOと、このベスト3の構成は ’80年代突入のまさに象徴である。

 

巻頭のニューミュージック特集の冒頭ページで語った言葉がある。
 
「キラキラした ’80年代も俺たちの素地ならば、そこへと突入する、まだ貧しさや泥くささを引きずっていた ’70年代後半も、俺たちの骨肉である。」
 
これは俺たちにとって幸せ以外の何ものでもない。この言葉を別の連載特集でも感じさせてくれるのが、さすが『昭和40年男』の構成力である。って、偶然なのだが (笑) 。
 

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