凝りもせずに週の頭から集い、昨日もバカバカしく盛り上がった宴だ。午後8時から11時までの開催とご案内しているが、僕はほぼ7時過ぎに店に入り、準備をしながら皆さんの来店を待っている。すると早い時間に来てビールを一杯だけ呑んで8時過ぎには家路につく方がいたり、逆に9時過ぎに来てガンガン呑んで最終電車で帰る方など、それぞれ思い思いに楽しんでもらっている。あまり知られていないが、店からのささやかなサービスとして通常かかる席料&お通しの500円を無料にしているのだ。
「カンパーイ」。後はくだらなく懐かしい話、それぞれの仕事や家庭の話なんかで終始しているスタイルはまったく変わらず、ともかく気軽で居心地のよい場所を用意しているつもりだ。怖くなんかないからぜひ気軽に寄ってみてほしい。昨日は荒れた天気のせいか参加者は少なく、それでも盛りだくさんの話に終始した。9時前に帰ってしまった者もいて、ますます少人数でまったりとしていたところに初来店らしき男が隣のテーブルに着いた。ずいぶん若く見えるし、マスターに何を聞くわけでもなく落ち着き払ってオーダーするあたりは、1人呑みに慣れた男だろうと気にしないでいた。1杯目を呑み干し、2杯目にハーパーのロックをオーダーする際にマスターへ読者であることを告げた。なんと奥ゆかしいというか、もしくはこんなに少人数でやっているとは思わなかったから、様子を見ていたのかもしれない。「初めまして」と挨拶を交わすと、それぞれ至極カンタンに自己紹介をして乾杯となった。
川岸さんと名乗り、広島からの出張を利用して参加してくださったそうだ。おーっ、ありがとう。どうりで若く見えるかと思ったら、昭和43年男で3学年下なのだ。だが雑誌の内容はバッチリとはまっていると、うれしいコメントをくれた。ありがたいことに高校を出るまで大阪在住だったとのことで、東京以外の情報に疎い編集部にとって情報収集の格好の餌食となった。独自文化をたくさん話していただいた。とはいえ、僕もアッチに住んでいたことがあり、繁華街の十三の話で盛り上がった。僕は阪急神戸線で隣駅の神崎川に住んでいたから、ギャラが入ると十三に繰り出した。僕が19歳のときで、山岸さんは十三の高校に通っていたとのことだからもしかしたらすれ違っているかもしれない。
バカバカしい話だが、こんなことで共感を得ながら酒を酌み交わしていることは、なんとも宇宙規模の偶然を感じてしまう。デジタルツールで繋がっていくおもしろさももちろんあるが、こうしてオープンにしているスペースに互いになんの前情報もないまま、出会うことだけを目的に集い意気投合できることの楽しさは格別である。躊躇している方がいたらぜひお気軽にトビラを開いてほしい。呑んだくれながら待ってるよー!!
その後も十三の話は続き、東京のどの街にも例えづらい独特の雰囲気があるという結論になった。もしも、出張で出かけたらぜひ確認して、僕のこの感覚をつかんでみてほしい。もっとも、ここ7年ほどご無沙汰しているから変わっちまったかなあ。次の出張時はなんとか繰り出したいと企んでいる。