アレンジャーというお仕事 〜大編集後記。

 

最新号 (vol.76) のご紹介、大編集後記をまだまだ続けていくぞ。買って欲しいからしつこくご紹介というのはもちろんあるが、ご購入くださった方とのシンパシーを楽しむための つぶやきでもある。今日も元気に、いってみよー!!

 

特集の第二章となる「名曲・名盤」では、このページから続く裏方さんのページが特集全体をピリッと締めている。こうした展開は『昭和40年男』の得意技で、キャッチーな企画ではないものの、テーマに対して深く掘り下げられるはずだ。この後ズラリと並ぶ裏方さんなのだが、そのトップがご覧の瀬尾一三さんである。昭和22年生まれで18歳年上の現役だから、まずはそこを見習いたいところだ。は75歳まで働くことを自分に課していて、あと18年だからちょうどその時にこのかっこいい姿を目指していこうと、そんな気持ちにさせてくれたページでもある。ルックスだけでなく、かっこいい言葉も並ぶ。

 

作詞と作曲だけでは、曲は完成品にならない。アコースティックギター1本でもアレンジは施される。リズムだったりコードだったり、イントロに間奏、エンディングなどなど、仕事はたくさんあるのだ。僕は素人ながら音楽を続けていて、弾き語りを人様に無理強いしている。そのアレンジにはちょくちょく手を入れる、楽しい作業なのだ。楽しいなんて言えるのは素人だからで、瀬尾さんのようなプロに言わせればそんなに甘いもんじゃないから恐縮だが、アレンジによって曲が成長していくのは醍醐味なのだ。

 

彼が手がけた作品は数知れずで、ぜひ検索してみてほしい。錚々たる曲たちがズラリと並ぶ。1979年の幕開けとなったセイコーのCMで流れた甲斐バンドの「HERO (ヒーローになる時、それは今) 」は、瀬尾さんの手によるものだ。問答無用な強いサビに対して、イントロは2小節のドラムスのほぼ単品にしている。シンプルながらこれで決まりさっというこれが技ならば、中島みゆきさんの「地上の星」のような重厚なイントロもアレンジャーの大技である。作詞・作曲と並び、三位一体で楽曲は煌めくのだ。

 

尾崎亜美さんで先日つぶやいた時に、今回の特集ではユーミンの存在がいたる所に出てくると書いたが、瀬尾さんもニューミュージックにおけるユーミンの重要性をズバッと説いている。これもやはり見ものであり、この一冊であなたはニューミュージック博士になれるはずだ。価値ある一冊を ぜひっ!!
 

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