今年最後の発行になる『昭和40年男』(vol.76) を印刷所に託した。ふーっ。今年もなんとか6つの分身をみなさんのもとへと送り込むことができそうだ。が、作業はもう一発残っている。1月発売号 (vol.77) は毎度のことながら年内に印刷まで終わらせなければらないのだ。ふーっ。
次号はきっと、バシッとみなさんの胸に突き刺さるはずだ。先日もここでつぶやいたとおり、去年の同時期と同様にテーマはミュージックで勝負だ。去年打ち込んだ ハードロックの特集 (vol.70) は大きな反響を生むことができたが、きっと今回も…。
暮れになると最新の音楽に触れる番組が増える。以前ほど賞ものは盛り上がらなくなってしまったが、どっこいテレビフェス系は増えている。それらで最近のロック系を眺めることができた時に、そのレベルの高さにいつも驚愕する。常に革新を繰り返す若い才能がうれしい。ものすご〜く頭を使って作り込んでいるなあと、深く感心させられてしまうのだ。たった2小節の工夫がものすごくセンスよかったり、繰り返し部分のメロディの乗せ方に微妙なエッセンスを加えたり、比べてしまうと俺たち世代が触れていたバンドたちはかなり「えいやっ」が通用していた。まあこれらも当時は新しかったわけで、やはり進化論なのだ。
えいやっとは失礼ながら、10代で聴いた音楽が心に染みついているのはあたり前田のクラッカーで、どの世代にも共通していることだろう。たとえば あいみょんのメロディや歌詞に感心させられるし大好きだが、それはおっさんが若い感性にうっとりしているのであって、当時のガラスのような心で受け止めているのではない。あの日の曲の数々は、理屈抜きで突き刺さったまんまだ。
僕がロックやフォークシンガーに、等身大の魅力を感じ始めたのは小学校から中学校に上がるあたりだった。その自身の体験が、一昨年の大胆な音楽企画『日本ロック元年』(vol.64) につながったのである。あの特集では、1978年こそが “日本のロック元年” だとしてしまったのだ。神をも恐れぬ姿勢で作り、おそらく少し上の世代にはな〜に言ってんだかと思われただろうが、俺たち世代にはストンと落ちる企画だったと思われる。さてさて、今回はどんな “ストン” を作っているのだろうか。印刷所に託したデータをまだ開示できないのが残念ではあるが、その日が楽しみだ。「こうきたか」と言っていただけるとうれしいなあとニヤニヤしているのは、〆切後の清々しい気分ゆえである。