『昭和40年男』の販売成績は、クルマやモノ、そして音楽系の特集は安定してよい。一方で、僕は “メンタル企画” と呼んでいるのだが、力石 徹を表紙に採用して挑んだ特集『男はつらいよ』(vol.53) や星飛雄馬親子のうさぎ跳びを見守る星 明子が印象的な表紙の『俺たち ど根性世代』(vol.60) 、涙なくしては直視できない『さらば宇宙戦艦ヤマト』のあのラストシーンのビジュアルを採用した『熱愛』(vol.51) などなど、どれも手応えバッチリの傑作のわりには、その完成度どおりの成績にならない。いやいや、どれもよく売れてはいるのだが自分の中の手応えとは開きがある。これらが完成した時には、胸の中で「売り上げ記録更新だぜ」とガッツボーズを作るのだが…。
最高傑作と呼んでいいかもしれない、今日のビジュアルで勝負に出た作品『俺たちの お母さん』(vol.55) は低調だった。だがこれらはなんとなくはわかっている。ただ、自分の作りたい世界観で勝負に出ることを放棄はしないし、鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギスの気概でこれからもがんばる。
前述した、僕らは “フィジカル企画” と呼んでいるなかで、音楽ものはかなりメンタルに近いフィジカルで、これまで数々の傑作を世に送り出してきた。シティポップが今のような喧騒になる前に組んだ『オレたち シティポップ世代』(創刊以来、“俺” と表記するのだがポップに仕上げたくこうした/vol.23) や 世良公則さんの表紙がかっこいい『俺たちポプコンエイジ』(vol.34) 、ノーランズを表紙に起用して爆発的に売れた『昭和洋楽』(vol.50) などなど、俺たち世代だからこそ共感を得られる特集たちだった。そしてここ2年は、その年の最終発売となる号では音楽特集でお送りしている。『日本ロック元年』(vol.64) と、ハードロックで組んだ『魂の導火線』(vol.70) である。どちらも狙ったように大反響を得た。
さて、ここで問題問題!! 現在、編集部が必死の作業で追い込んでいる次号は3年連続の同時期音楽特集とした。どのジャンルをテーマに、どんなビジュアルを採用したのだろう。ふっふっふ、今日はもう何も語るまい。