本日発売じゃーっ!!

 

先日 表紙を発表させていただいた『昭和40年男』の総集編シリーズ『興奮の おもちゃ&プラモ大全集』が、本日発売となった。パチパチパチパチ。俺たちのハートにど直球のど真ん中で、きっと皆さんにご満足いただけることだろう。本誌のバックナンバーをコンプリートしている方は、立ち読みで楽しんでほしい。過去の記事を寄せ集めただけと言うなかれ、実はかなりの手を加えているのだ。このつぶやき読者の方なら、そこのところを分かっていただきつつニヤリとする粋で通な楽しみ方をしてほしい。あっ、立ち読みは傷まないようにお願い。

 

総集編のスタートとなる、今日のビジュアルページに綴った文章には『昭和40年男』のコンセプトとなっているキーワードが踊る。アナログ時代。昭和は貧しかった。モノのない時代に育った親たちからの愛。それらだ。常々語っていることだが、当時を振り返って昭和がキラキラしていたなんてのは、大いなる勘違いである。東京下町でいえば、空気は汚い。星は見えない。河川は臭くて、ゴミが大量に流れてヘドロになっている。道の脇にはまだドブが流れていて、大雨になるとすぐにあふれる。と、キラキラなんてのは幻想甚だしいのである。ただ、過去の想い出ってのは美化されるもので、食い物なんかでも想い出の味は3倍なんてことを感じていたりする。

 

現代をカタチ作っているデジタル技術の発展は、暮らしに革命的な恩恵をもたらしてくれた。これは絶対的な大前提でありながら、弊害がないわけではない。SNSなどの書き込みにより、言葉の暴力が横行する社会を作ってしまった。暴力を振るっている側は相手の血を見るわけでないから、その酷さに気がつかないうちに心を血まみれにしてしまう。さらに超スピード社会だったり、何でもかんでも匿名で断罪してマウントを取る輩の横行だったりと、ともかく世知辛い。

 

そんな現代だから、俺たちが育った時代にはなんとも言えない大らかさや温もりを感じて、これを豊かさだと思ってしまうのは仕方あるまい。それを強く感じさせてくれた一つが、親が買い与えてくれたおもちゃである。買ってくれる親のうれしそうな表情が、戦争経験者たちの強い思いの表れなのだ。自分が経験したような、想像を絶するような苦しみや貧しさを子供世代には感じさせたくない。豊かな家計ではなくても、なんとか捻出しては家族を盛り上げ、お袋はご飯を切らすことなくいつもこれでもかっとたくさん炊いてくれた。そんな温もりを幸せと呼ばずして何と言おう。

 

インタビュー取材が申し込まれて、ご丁寧にも2回のロングインタビューである。1回目を先日受け、俺たち世代が後世や世界に何を残すべきなのかが宿題となって、後日2回目を迎える。これをズバリと回答するカギを探りながら、発売となった総集編をパラパラとめくっているところだ。温もり? 抽象的すぎるなあ。だが、そんなふわふわした時代に育ったことで、現代に世知辛さを感じてならないのだ。この一冊は、俺たちが俺たちであることを再確認できると考えている。大袈裟すぎるかなあ (笑) 。
 

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