東京都荒川区で育ったから、幼少より祭りを身近に感じてきた。やがて大人になると、いろんな地域の祭りに触れることができるようになった。「福岡博多秘密基地」の幹事さんのお誘いで、来年はもしかしたら山笠デビューを飾れるかもしれない。あのカッコいいふんどし姿になるわけだから、今からお尻に磨きをかけねばならぬ。担ぎながら走るのだから、体力もしっかりと管理しないといかん。このつぶやきでは、節目節目で毎度ふんどしを締め直しているわけだがそれはあくまで気持ちのふんどしであり、まさか57歳にしてリアルに締め込むことになろうとは、人生ララである。
青森ねぶたでハネトになって「らっせらーらっせらー」と叫ぶのも長年の憧れだったところに、最近取り合えた青森出身のナイスガイに誘ってもらえた。青森まで行かなくても、都内近郊でも開催されているそうで、来年の夏はこの2大祭りを楽しむつもりだ。
と、前ふりだったわけでつい先日のこと、家と会社を結ぶ乗り換えの蒲田駅でこんな装飾を見かけた。聞けば、大田区のビッグ祭り「お会式」の万灯煉 (まんどうねり) とのことで、これが大行列を作るという。うーむ、なんだかよくわからないがともかく近いのだからとふらり見物に出かけてきた。これがすごかった。心打たれてこっぱみじんだぜ。
サイトによると、そもそもお会式とは各宗派の宗祖の法要行事だったとのこと。その中でも、池上本門寺の日蓮さんの命日である10月は江戸時代より盛大で、いつのまにか「お会式」といえば日蓮さんとの代名詞になり、俳句の世界では秋の季語にもなっているとのことだ。本門寺は日蓮さんが最後の日を迎えた場所で、10月13日がご命日でその前夜に万灯煉行列が夕方より深夜まで練り歩くとのことだ。9時過ぎに行ってみると、おいおい、そうかコロナってのは終わったのだなとうれしくなるほどの人出だ。そして万灯煉行列なのだが、ひとつひとつがそれぞれに威信をかけて練り歩いているという気概がバシバシ伝わってくる。全国各地からもエントリーしてくるそうで、江戸から続く文化を強く感じさせられた。
纏が勢いよく振られて万灯煉を先導してくる。そして万灯煉を取り囲みながら、団扇太鼓と鉦 (手で持てるサイズの鐘)と笛が奏でられる。音色というよりはビートミュージックで、これがえらくかっこいい。そのセットが次々に練り歩いてくるのは、圧巻そのものでまた一つ参加側になりたい祭りが増えた。ともかく来年は、焼酎持参で長時間の見物を楽しむことにする。10月12日の夜は、今からスケジュールを入れないようにしようっと。