〆切カウントダウン、その弐

今日も現場は熾烈をきわめているので、やっぱりその模様を伝えよう。
昨夜、踏ん張りに踏ん張って10時過ぎ、
とうとう表紙の最終チェックを終えた。

雑誌の命は中身です。
とはいえ、買ってもらえるか否かの第一歩は
「うん、なにこれ?」
と思った方が、瞬間的に手に取るか取らないか。
俺を含めた編集部員や制作スタッフたち、
関わったすべての人の徹夜の日々が、表紙の出来映え一つで
無駄なものになってしまうこともある。

知名度のある雑誌だったら、なんとなく手に取ってくれるでしょう。
「今回はどんな内容なの?」って。
大手メジャー出版社の雑誌なら、書店さんとの信頼関係から
自然と手に取ってもらいやすい場所に並ぶから、
やっぱり手に取られる確率が高いでしょう。
「うん、なんだかたくさん積んであるな」って。

そのどちらでもない『昭和40年男』は、
まったくこの雑誌のことを知らない、しかも昭和40年生まれかまたはそれ前後生まれの男で、
しかも目立たない場所で見つけた瞬間に
「うん? なんじゃこりゃ」
と思ってもらわないとイカンのですよ。
それが表紙にかかっているわけで、
でも、中身と違う誇張に表現されたものにはしたくない。
見た瞬間に“はっ”として、思わず手に取ったら次の勝負が始まるわけ。
パラパラめくるわけだから、ここでやっと中身の勝負になってくるわけで、
そこで変なギャップがあったら「ふんっ」てなるもの。

うーん、買ってもらうということには、
ウミガメの生存率ほどの可能性をくぐり抜けてやっと成り立つ、いばらの道だ。
でもそれが偶然の産物によるものでなく、
やはりこれらの条件下でもっとも適した工夫をしていくことが、
俺の仕事というわけだ。
さて、どうなることやら。

いつか知名度が上がってね、真っ白な表紙に雑誌名と特集のタイトルだけを
太いスミ文字(黒ね)だけで作ってみたい。
そのタイトルもすごくよいヤツでね。
これでも通じる、実力とはそんなものだと思う。

というのも。
知名度を上げるためには日々努力を積み重ねていき、
支持をされるようにがんばった結果であって、手に取ってくれる人が自然と増えたということ。
そんな結果を得る雑誌をつくれる人だから、タイトルもすごくいいのがつく。
タイトルがいいというのは、内容がいいということで、
それは時代や雑誌の方向性や季節や直近で起こったことや、
さまざまなことが内包されて練り上げられることで、
それをまとめ込む編集部が組織されていて、
その編集長である人が「コレだっ!!!!!」てつけたタイトルなのだよ。

うーん、まだまだかもしれないが、今回も向上はしたと思える部分がたくさんある。
だからよしとするわけではまったくないが、
せめてそれを積み重ねることが今の俺にできることなんで。

おっと、現場の話。
いよいよ昨日から、最後の難関である誤字脱字を探す校正という作業に入った。
同時に抜けている部分や、追加のアイデア、やり直し原稿と闘い、
とにかく時間が許す限りの熱を入れていく段階で、みんなホントに真剣に闘っている。
さあ、今日を入れてあと3日だ。
がんばるぞー。
応援よろしくおねがいします。

表紙

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

2件のコメント

  1. 真剣勝負っす。
    でもきっと、雑誌に限ったことじゃないですよね。
    きっとみんなそれぞれの場面で勝負しているのでしょう。
    応援が目にしみます。
    ありがとうございます。

  2. 本作りってやっぱりそういう真剣勝負だよね。
    がんばれー。

コメントは受け付けていません。