ありゃりゃ、とうとういかれちまったよ。と、思ったあなた、ノンノンノン。今日の発売は『昭和40年男』にとって大変うれしいものだ。ワニブックスよりリリースされた『闘魂と王道 -昭和プロレスの16年戦争-』がそれで、著者は 堀江ガンツ である。そう、うちにとってはなくてはならない存在であり、プロレスブームの渦中にいた俺たち世代にとってもなくてはならぬライターである。連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』のプロレスページを長年担当してくれている男だ。そして大変うれしいとしたのは、うちの過去記事を再検証の上大幅に加筆して構成されているのだ。つまり、まもなく13年になる『昭和40年男』の歴史で、初の書籍化ということになる。えっ、なんでワニブックスからなのと不思議に思うなかれ。うちは書籍発行のライセンスを持っておらず、雑誌だけの版元なのである。この記事を書籍で読みたいという気持ちがあり、完成度の高い本が世に放たれるのはステキなことだと、ガンツさんとワニブックスさんを繋いだのは何を隠そう僕だ。あとがきにはガンツさん、お礼まで書いてくれたよ。
昭和47年 から 昭和63年 までのプロレスシーンが時系列に並んだど迫力の592ページはズシリと重い。それは重量のことだけでない。昭和プロレス史を網羅した決定版の完成なのだから、軽いわけがない。そしてそして、巻頭には今年の6月に敢行したとするアントニオ猪木さんのインタビューが書き下ろされているのだ。おおーっ。
一時期病に伏せたのはご周知のとおりだが、さすがの闘魂はこうして今の心境を語っているのだ。「俺のライバルは馬場さんじゃない。プロレスに対する偏見だった」と帯にも記されている、このど迫力インタビューを読まずして猪木さんを語るなかれだ。プロレス世代の俺たちの本棚には必須の一冊だと自信を持ってオススメする。
さあ、すぐに手に入れるべし。雑誌は立ち読み上等を貫いている僕で、吟味して買ってくれと常々メッセージを出しているが、書籍については話は別だ。好きな作家の本ならポチッでいいかなとも思っている。もしもあなたが昭和プロレスが好きだったのなら、そして『夢、あふれていた俺たちの時代』の堀江ガンツ節が好きなら今すぐ手に入れるべきだな。