今日も元気に 最新号 (vol.75) のご紹介、大編集後記をつぶやかせていただこう。
昭和の一年を切り取ってお送りしている連載特集『夢、あふれていた俺たちの時代』は今回 昭和64年を取り上げた。たった7日間の昭和なわけだが、ミラクル昭和をなんとなく感じさせるのが、奇しくも昭和元年も7日間なのだ。暮れも押し詰まった12月25日から始まったのは、昭和ジャンキーとしては偶然で片付けたくない気分である。
今日の紹介ページは、毎度担当が悩みに悩んで作る「昭和40年男的 こころのベストテン」で、1位にはやはり昭和から平成への移行が選ばれている。これは僕も納得の1位であり、記憶に強く残っている。居酒屋の兄ちゃんだった僕で、1月7日は働いていた上野の街が喪に服した。ほとんどの店が営業を自粛したし、僕の店があったいつも賑わう仲町通りに人はいなかった。が、僕の店のオーナーは日本人でなく、営業を強いられたのだ。大和魂が受けた屈辱で、心に突き刺さったのだった。
2位に消費税導入、3位に天安門事件、5位に手塚治虫が死去、7位、9位も含めて暗い話題が半分ランキングされている。この中で消費税は居酒屋の兄ちゃんにとっても影響大だった。それまでのレジに、1円玉と5円玉はほぼ要らなかった。この日より必要になったのだからさあ大変。レジ作業はそれまでより手間が増えたことになり、まだ世の中を理解していない兄ちゃんにとってはネガティブでしかなかったのさ。
6位にランキングしているザ・タイマーズの放送事故は痛快だった。『夜のヒットスタジオ』を観る暮らしではなかったわけだが、噂を聞いて胸がスカッとした。キヨシローはやっぱりキヨシローなのだと前年のアルバム『COVERS』騒動とともに歓喜したのが昨日のことのようだ。
読者の皆さんはほとんどの方が社会の一員としてがんばっていた頃で、バブルに乗っかっていたかもしれない。僕は売れないバンド暮らしに焦りを感じ始めていて、世の中のキラキラ感に対してこちとらタバコの煙が充満した薄暗い場所でばかり生きていた。と、僕にとってはそんな昭和64年である。