日産自動車は、高級セダン『シーマ』をモデルチェンジし、5月21日より発売する。価格は735万円から840万円。
『シーマ』といえば、バブル時代を象徴する高級セダンとして知られる高級車で、88年に生産されるやいなや人気が集中。その記録的な販売台数から“シーマ現象”と呼ばれる社会現象を巻き起こした。しかしながら、2010年8月に生産を終了してラインナップからその名前は消えていた。今回のモデルチェンジによって日産のフラッグシップモデルとして2年ぶりの復活となる。
5代目となる新型は、フーガをベースとして、さらにひとクラス上のクルマとして作られている。また、独自の1モーター2クラッチ、パラレル方式のハイブリッドシステム「インテリジェント デュアルクラッチ コントロール」を採用しているのが特徴で、従来のシーマがもっていた高い走行性能及び快適性と、燃費を両立しているという。パワーユニットにはハイブリッド専用エンジン・VQ35HR(最高出力:225kW(306PS)/6800rpm、最大トルク:350N・m(35.7kgf・m)/5000rpm)と高性能モーター「HM34」(最高出力:50kW(68PS)、最大トルク:270N・m(27.5kgf・m))が採用され、これに高出力で素早い充放電が可能なリチウムイオンバッテリーを組み合わされる。
ボディサイズは従来のシーマと変わらないものの、ホイールベースが150mm延長された。これによって後席に大きな居住空間を創りだしており、自分で運転するというよりも、オーナーは後席に乗るショーファードリブン的要素が高まっているといえよう。実際、プレジデントがカタログ落ちしている現在、シーマが同社のトップレンジになることを考えれば、そうしたキャラクターにも合点がいく。
このシーマは「モノづくり品質世界一」をスローガンとする同社の栃木工場で生産されており、高品質を超える「最高品質」を目指しているという。日本製のクオリティの高さもこの新型シーマの魅力といえるかもしれない。
2012年5月16日追記
日産はこの新しいシーマを三菱へOEM供給するが、名称が『ディグニティ』に決定した。英語で「威厳」や「気高さ」を意味する単語である。同じくOEM供給される『フーガ』をベースとした高級セダン『プラウディア』とともに、今夏より発売されるとのこと。