ギタリストの姉ちゃん経由で
ロッド・スチュワートのコンサートに行くことになった俺。
生まれて初めてのコンサートだった。
武道館の後ろの方で席はよくなかったが、オープニングから興奮した。
そのオープニングナンバーであった“自由への翼”は早速コピーして
その後オープニングに使ったくらいだもの。
歌に目覚めかけていた俺の気持ちを
加速させるのに十分な出来事だった。
“今宵焦がれて”での会場中の大合唱には胸が熱くなり、
ライヴで目の前で演奏された“アイム・セクシー”も最高にかっこよかった。
このときから今にいたるまで
好んで聴いているシンガーであるロッド・スチュワート。
だが、俺にとってヒーローなのかというとちょっと違う。
不思議な感覚で、俺にとってロッドはアイドルなのだ。
絶対にこの人にはなれないのである。
俺はいったいなにを言っているのか、
ジミー・ペイジにだって絶対になれないよ。
いやー、そうなんだけど、
1%もかぶるところがないというか、
完璧なスターなんだよね。
ブルースっぽさやカントリーっぽさとか、
歌うためのベースがしっかりあって、
華やかな存在でしかも歌がうまい。
完璧すぎてヒーローを超えてボーっとしてしまうのよ。
金髪のアイドルなんです、永遠のね。
だからだな、先日の来日でも迷った上でチケットを取らなかったもの。