プロミュージシャンへの道。

無事受験も終わり、バンド活動にいそしんでいた俺たちは
中学卒業記念ライヴを3月31日に開催することを決定した。
練習を繰り返して臨んだ、生まれて初めてのライヴだ。

このときの選曲がスゴイ。
オープニングはアメリカ国歌を弾くジミ・ヘンドリックスの影響から、
俺は君が代を弾いた。
ああ恥ずかしい。
そしてそこから“ハイ・ウェイ・スター”につなげたのだった。

オリジナルなんかあるはずがない。
ひたすらコピー曲で、
キッスの“ドウ・ユー・ラブ・ミー”、エアロスミスからはなぜか“リメンバー”、
ツェッペリンからは“天国への階段”など、豪華な選曲である。

お客さんのことを考えて
ビートルズの“イエスタデイ”やシャネルズの“街角トワイライト”なんかもにくい(笑)。
リッチー先生の曲が最も多く、“キル・ザ・キング”に“スモーク・オン・ザ・ウォーター”と計3曲やった。

それにしてもなんつー選曲だ。
いらしたお客さんはさぞ不幸だったと思うが、
やった本人たちは最高に気持ちよかったのである。

この夜、俺たち6人は最高の余韻を引きずり、
その勢いを借りてプロミュージシャンになることを誓い合った。
高校に入学する直前に、教師になるという職業的な目標は完全に捨て去ったのだ。
こうなったら高校に行く必要もないのだが、
ギターを買ってもらった手前、卒業だけはノルマだなと自分に課したえらい俺なのさ。

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