昭和漂う、変わらぬ上野。

先日、上野に行く用事があり少しの時間を使って散策してみた。駅にほど近い、おそらく一等地だろう立地で昔ながらの茶店が続いている。高校時代に通った店だから、少なくとも40年以上はここで営業している。高2の時にバイトに応募したが落とされたというおもひでが残る茶店でもある。

 

きっとアチコチに手を入れながらだと思われるが、外装は当時のままに感じられる。マイナーチェンジはしているのだろうか? 値段は確実に高騰しているが…。ともかく、漂う雰囲気は全く変わっておらずうれしい限りだ。そしてこの斜向かいには、やはり高校時代より入り浸った中古レコードショップ店の蓄晃堂がある。ここも未だに変わらずでがんばっていた。当時はR&Bやブルースに力を入れていて、僕の人生を狂わせた店の一つでもある。オーティス・レディングの状態のいいのや、シカゴ・ブルースの偉大なるシンガーたちをここで仕入れたのだ。

 

▲こちらは8年前に撮った写真ながら、佇まいは全く変わらなかった

どれどれと店に入ってみた。残念ながらR&Bやブルースにはあまり力は入っておらず、それでも店内いっぱいにレコードの数々があるのはうれしい。所有はできなかったけれど、雑誌やレコード店でうっとりと眺めたジャケットたちはおもひでをジャンジャカ連れてくる。中坊の時にリリースされたアバのアルバム『ヴーレ・ヴー』を思わず手に取ると、お値段 2,300円とある。これはアナログ盤ブームによるものなのだろうか? かつては2,500円前後の新品に対して、状態がいいものでも多くが1,500円以下で並んでいたが、これはバブルか!?

 

全体で見れば上野の街は大きく変わった。だがこうしてどっこい昭和が残っているのも上野である。そして猥雑な雰囲気と、昼間っから酔っ払いが多いのも40年前に知った飲み屋街と変わらない光景だ。街には染み付いた大切なものが多くあるのだが、再開発で失われてしまった街も東京では少なくない。まっ、上野は大丈夫だなと思えてくる。ギャランも蓄晃堂も未来永劫がんばれー!!
 
tenn 

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