【懐かしの名盤】ザ・バンド『Music From Big Pink/ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』(1/13)

懐かしの名盤シリーズを心待ちにしていた音楽ファンの皆様、すっかりご無沙汰しております。あらためましてこんにちは、シリア・ポールです(ウソ)。大変長らくお待たせしました。別に待っちゃいなかったって? まあまあ、そんなこと言わんとつき合ってくださいな。

早いものでシリーズ第9弾となり、昭和40年男にとってはちょっくら古くさい存在ながら、この方々を出さないとちょいとこの先レコメンドしたいアルバムの度に存在感を発揮するからと、今回登場させることにした。これまで取り上げた洋楽ミュージシャンは、ストーンズ、クイーン、ロッド、ツェッペリン、エアロ、ポリスの6組で、比べてみると昭和40年男にとっては少々ランクの落ちる印象を受けるかもしれないが、それは我が国での話だ。アメリカにおいては絶大な影響力を持ったスーパーバンドであり、多くのミュージシャンたちに多大なる影響を与えたという点でも、ここら辺で取り上げないわけにはいかない。バンドの中のバンドだから、ザ・バンドなのさっ。

76年に『ザ・ラスト・ワルツ』と銘打ったイベントを行ない、翌年に契約上のつじつま合わせで『アイランド』をリリースしているが、『ザ・ラスト・ワルツ』で解散したととらえていいだろう。これが3枚組のライブアルバムにもなっていて素晴らしい内容で、とても解散する状態のバンド演奏と思えない演奏が楽しめる。

現在も活躍するマーティン・スコセッシ監督により、ドキュメントフィルムとしても『ザ・ラスト・ワルツ』は残されており、もしもこのコーナーを読んでくれている方で見ていない方がいたら、今すぐに購入した方がいいだろう。絶対に損しない、すばらしいフィルムだ。ライブDVDでこれ以上楽しい作品を僕は知らない。それもそのはず、ザ・バンドに影響を受けたバンドが入れ替わり立ち替わりで登場するのだ。そして、ザ・バンドをバックに楽曲を披露していくそのテンションの高いこと。ニール・ヤング、エリック・クラプトン、マディ・ウォーターズ、ヴァン・モリソン、そしてボブディラン…、その他多数の出演者の生バンドカラオケ大会である。加えてザ・バンドの楽曲と、フィルムのために行われたスペシャルセッションで構成されていて、退屈する瞬間が1秒たりともなくパッケージされた見事な作品であるのは、さすが名監督の技である。このライブフィルムから学んだものが僕にとってどれほど大きいかは計り知れない。…と、このコンサートのことは後にとっておこう。

僕がザ・バンドから選んだ1枚はデビューアルバムであり、ロックの歴史に燦然と輝く名作『Music From Big Pink/ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』だ。(つづく)

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