『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社刊)の著者・増田俊也が第43回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。
増田は北海 タイムス社を経て、1992年に中日新聞社に入社し、中日スポーツに配属された。そこで記者として取材に飛び回るかたわら、作家としても精力的に活動し、 これまで『シャトゥーン ヒグマの森』で第5回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞するなどの功績を残している。
今回の受賞作 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』は、史上最強の柔道家と呼ばれながら、プロレス試合(1954年12月)で力道山と対戦し、血まみれになってKOされた木村政彦の生涯を追ったもの。“柔道史上最強”とされた男がなぜ力道山に負けたのか、その歴史を丹念にたどっている。
「力道山に敗れ、柔道界、プロレス界から排斥され、歴史からも抹殺された木村先生を復権させるためだった」。執筆の動機をこう語る増田。増田はこれまでに築いた取材力と人脈を活かしな がら18年もの歳月を費やし書き上げた。それ故、総ページはなんと701ページにもおよび、しかも2段組み(原稿用紙にすると1,600枚ほど!)という超大作。 選考委員を務めた猪瀬直樹は「ページをめくらせる力強さと面白さがある。立花隆さんも言っていた」と、高く評価している。興味のある人はぜひ手にとってみてほしい。
公式ブログ『増田俊也の憂鬱なジャンクテクスト』
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