昭和40年生まれのプログラマー・まつもとゆきひろが2011年度の『The Award for the Advancement of Free Software』を受賞した。同アワードの受賞は日本人としては初めてで、まつもとが開発したプログラミング言語『Ruby』をはじめ、過去20年以上にわたってフリーソフトの開発に取り組んできたことが評価されての受賞となった。
『Ruby』の開発は1993年にさかのぼる。まつもとは1990年にソフトハウスに社内OAシステム開発担当として入社した。そこでは当時まだテキストしか送れなかった電子メールを、添付ファイルを送れるようにプロトコルからツールを開発したりするなどしていた。しかし景気が悪くなり、社内システムを作る仕事が減ってしまったため、空いた時間を利用してRubyの開発をスタートさせた。そして95年に完成し、フリーソフトとして公開。使いたい人に使ってもらおうと無料で公開したのだが、シンプルで利便性に優れたRubyは日に日に広まっていき、今では世界中のプログラマたちに愛用されるソフトウェアへと成長した。
まつもとは先月末に開かれた授賞式で「受賞の瞬間にはおもわず涙を流しそうになりました。自分はあまり感動や感情を表に出すタイプの人間ではないと思っていたので、正直、大変意外でした。ただ、日本には世界に知られていない優秀な開発者、また優れたフリーソフトウェアがたくさんあります。彼らが将来、賞を受けるかどうかはともかく、世界中でもっと広く知られるようになり、実力に応じた評価を受ける日が来るといいなあと思います」とコメントを残した。
高校時代から、いつかは自分でオリジナルのプログラミング言語を作りたいという夢をもっていたというまつもと。それが高じて自作した『Ruby』によって、世界に知られるようになり今回の受賞につながった。今後のますますの活躍に期待したい。
Yukihiro Matsumoto(@yukihiro_matz)on Twitter
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