トレックは、同社のフラッグシップモデル『Madone』に並ぶカーボンロードバイクとして、エンデュランスバイクである『Domane(ドマーネ)』を発表した。
健康でエコなライフスタイルとしてサイクリングが注目されるようになって随分たつ。ブームによって、街中でそれっぽい自転車を見かける機会も増えているのではないだろうか。自転車通勤する“ツーキニスト”も増えているそうなので、昭和40年男のなかにもそうした自転車を所有したり、興味のある人も多いことだろう。ここではトレック社の最新フラッグシップモデルを紹介したい。
Domaneは、プロツアーチームである『レディオシャック・ニッサン・トレック』に所属するプロライダー、ファビアン・カンチェラーラ(TT世界選手権4度優勝、北京オリンピック金メダリスト)が、パヴェ(石畳)で知られるクラシックレースを制覇するために開発された究極のレースバイクである。一年半にわたる開発には、カンチェラーラ自身も大きく関わり、衝撃吸収性、パワー伝達効率性、そして安定性において、彼の理想が具現化されたバイクに仕上がっているという。
パリ~ルーベに代表されるクラシックレースでは、未舗装の道路に握りこぶし大の石が敷き詰められたパヴェ(石畳)を走る。強烈な振動、鋭い角や段差によるパンクや落車が選手を苦しめるレースで、はじけ飛ぶ泥によるメカトラブルも多発するという過酷なもの。
Domaneは、こうした悪路走行を考慮した「IsoSpeed(アイソスピード)」と呼ばれるトレック独自のテクノロジーが搭載されているのが特徴。シートチューブを独立させる構造により高い衝撃吸収性をもたせたもので、ロングライドにおいてライダーの疲労を抑え、力を温存するのに効果的だとしている。一方で高剛性ダウンチューブとチェーンステー、幅広のBB90、E2テーパーヘッドチューブは、軽量でありながらも高い剛性を生みだし、パワーロスすることなく確実にリヤホイールにパワーを伝達するという。ライディング性能に大きな影響を及ぼすフロントフォークには、ハンドリング性能を高めつつも効率良く衝撃を吸収し、快適な乗り心地をもたらすために、通常よりも大きく湾曲させたIsoSpeedフォークを採用。フレームは開発とテストに2年以上を費やしたという究極のライディング性能と安定性を発揮するジオメトリーとなっている。
究極の軽さとスピードを求めるライダーのために作られたMadoneに対し、Domaneは長時間のレースやロングライドにおいて、最後までライダーの力を100%発揮させるために作られた、ハイパフォーマンスロードバイクといえる。価格は49万9000円。