昭和40年生まれの作家・佐川光晴が、新作の刊行を記念して、4月26日、東京・池袋にある書店・ジュンク堂池袋本店にてトークショーを開催する。
佐川は大学卒業後、食肉荷受会社に就職。職務に従事する傍ら30歳で小説を書き始め、35歳(2000年)に自伝的小説『生活の設計』(新潮社)で新潮新人賞を受賞し小説家デビュー。その後、2002年『縮んだ愛』(講談社)で野間文芸新人賞、2011年『おれのおばさん』(集英社)で坪田譲治文学賞を受賞するほか、5度の芥川賞候補にも挙がっている。
余談になるが、芥川賞の最多ノミネートは阿部 昭と島田雅彦の6回で、佐川は黒井千次などと並び3位タイという記録を持つ。作風は、生活により身近な社会問題をテーマに持ってきながらも温かくほのぼのとした雰囲気でうまく描き出すと定評がある。
その佐川が先月『作品集 静かな夜』(左右社)を刊行した。同作は、佐川が北大恵迪寮で執行委員をしていた時代を描いた私小説的な作品『二月』と『八月』を所収。穏やかな時間のなかにいた家族に突如訪れる運命、生と死、出会いと絆を静かに見つめ、弱さが生む光を描きだす佐川の原点ともいうべき作品だ。
そして同作の刊行を記念し、来る4月26日(木)、政治学者・苅部 直とジュンク堂池袋本店にてトークセッションを行なう。対談のテーマは『今、いかなる言葉で政治を語るか。1965年生まれの二人のこれまでとこれから』。そう苅部もまた、昭和40年男なのだ。苅部は現在、東京大学法学政治学研究科教授で『丸山眞男ーリベラリストの肖像』(岩波書店)や『鏡の中の薄明』(幻戯書房)、『安部公房の都市』(講談社)など著書も多数ある学者だ。
佐川は、共同体が人を成長させ仲間と関係の取り方を身に付けさせてくれる空間ならば、政治とはそうした共同体を維持・存続させるためにいかに行為すべきかという具体的な問題だと言う。トークセッションでは、政治をテーマに、二人の昭和40年男が、幼少期からの体験・経験を踏まえて、80年代、90年代、00年代をどのように過ごし、政治にどのようなイメージを抱いてきたか、そして現在、どのように生き、仕事をしようと しているかを語り合う。『昭和40年男』読者なら興味ある対談ではないだろうか。ぜひ足を伸ばし二人の語らいに耳をかたむけてみてほしい。
『JUNKU 連続トークセッション』
■日 時:4月26日(木)19時30分~
■会 場:ジュンク堂書店池袋本店(4階カフェ)
■定 員:40名
■入場料:1,000円(ドリンク付)
■問合せ:ジュンク堂池袋本店 03-5956-6111
※電話または店頭にて申し込み(先着順)
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