ソニーは、エントリーユーザー向けのレンズ交換式デジタル一眼カメラ『α57』を4月13日に発売する。
ミノルタが開発・展開していた一眼レフカメラのαシリーズは、85年にその第一号となる『α-7000』を皮切りにスタートした。世界初のオートフォーカス機能を搭載したシステム一眼レフカメラとして話題を集め、その後もシリーズ展開がなされたが、2006年以降はソニーがこのブランドを引き継いでいる。
新たにリリースされる『α57』は『α55』の後継機種にあたるローエンド機であるが、上位機種である『α65』をベースに設計されているため、本体サイズ・重量ともに『α55』より増加している。撮像素子は有効1610万画素のAPS-Cサイズで、『α55』の解像度より10万画素低いが、感度は最大ISO16000まで設定可能(α55はISO 12800まで)となっている。
ソニーが継続して搭載している独自の透過型の固定ミラーを採用した“Translucent Mirror Technology”はこのモデルでも搭載されている。可動式のミラーを持たず、透過式のミラーが常にイメージセンサーとAFセンサーに同時に光を導くため、プロ専用機クラスに匹敵する連写の高速化、ミラーの可動を要因とするブレがない、撮影中も高速・高精度な位相差検出方式AFが常に働く「フルタイムコンティニュアスAF」が可能など、特徴的な機能を多数実現している。ファインダー撮影に加えて液晶モニターを使ったライブビュー撮影、高速連写や動画撮影時でも、動く被写体にピントを合わせ続けることができる。これに加え、本機には動く被写体にもAFが追従しながら秒間最高約12コマの高速連続撮影を行なう「テレコン連続撮影優先AE」モードを搭載。このモードではイメージセンサーの中央部を使って約1.4倍にクローズアップした撮影を行い、スポーツシーン等の動きの速い被写体の決定的瞬間をとらえる。
また「オートポートレートフレーミング」機能も搭載。撮影時に「顔検出機能」にて被写体の顔を認識し、カメラが自動的に印象的な人物画(ポートレート)となるような構図で画像の切り出しを行なうという世界初の機能だ。構図判断は、三分割法を採用し、プロが撮影したような印象的な縦構図や、人物をさらにアップした構図で切り出すことができるという。日常何気なく撮影してしまう人物を中心においた横撮影の写真を、撮影時には思いもよらなかった迫力ある構図で楽しめてしまうのだ。切り出された画像は独自の“全画素超解像”技術により、自分で撮影したオリジナルの画像と同じ画像サイズで保存される。自分で撮影した画像も保存されるので、カメラより切り出された画像と比較することで撮影時のヒントを得ることも可能だ。
エントリーモデルながら、高機能を満載した本モデルは、ボディ単体、標準ズームレンズ「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」を同梱したズームレンズキット、標準ズームレンズ「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」と望遠ズームレンズ「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」を同梱したダブルズームレンズキットの3種類が用意される。単体の実勢価格は8万円前後。