本日 vol.74 の 発売である。今回はこの表紙で “昭和の夜” を特集 して、自分で言うのもなんだが快作になった。俺たち世代にとっての夜は現代とはまったく異なる。それを目一杯感じていただけるはずだ。
そして発売日といえばここのところ、コーラスグループのフォレスタの『昭和40年男』プロデュース動画のリリース日としている。声楽をみっちりと学んだ彼らの凄さは、どんな曲でも料理できるところにある。ピアノ一本の伴奏ながら、ソロ歌唱とコーラスで曲に抑揚をつけていく。今回の僕よりのリクエストは「女性シンガーによる勢いのある曲にしたい」というのがまずあった。あれこれと多くの楽曲を候補に悩んだ結果、アイリーン・キャラの「フラッシュダンス ～ホワット・ア・フィーリング」にしたいとメンバーに伝えたところ、このような仕上がりとなったのだ。うんうん、これはおもしろいぞ。
映画は公開直後に映画館で観た。高校三年生の夏のことで、周囲が受験勉強に努力を重ねている頃だった。僕は音楽の道に進もうと決めていたからその必要はなく、ダンスを夢見る少女のストーリーに感情移入しながら楽しんだ。まるで昨日のことのようである。主人公のひたむきな努力を見習って、スタジオ練習に必死にならなければとふんどしを締めた映画でもある。主人公の年齢が18歳というのも感情移入に拍車をかけた。僕も18歳だったもの。居酒屋で働きながら、ソングライティングと練習に時間のほとんどを費やしていた。あれだけがんばったのにダメだったのだから、よほど才能がなかったのだなと思えるほどの努力ができたことは、今も人生の宝物である。
と、そんな思い入れがたっぷりの曲をリクエストしたわけだ。予想以上の仕上がりに満足しているところで、今宵はこいつを肴にしようと思っている。てなわけでみなさんもぜひお付き合いくだされ。『昭和40年男』プロデュースの過去作品もあげるので、ぜひ連チャンでお楽しみくだされ。