♪ささの葉サラサラ〜と、明日は七夕ですな。まだバブルの余韻が残る頃に、僕は居酒屋でハッピを着て走り回る暮らしから、昼間のスーツ姿に変身した。当時はかっこいい職業のひとつだった、小さいながら広告代理店でプランナーなる職に就いたのだ。景気がよかったのと、給料が安くて済んだのがよかったのだろうが、ワープロさえ触ったことのない居酒屋の兄ちゃんをよくぞ採ってくれたものだ。しかも、バンドの夢を捨てちゃいなかったもんだから、ライブがある日は早退させてくれという悪条件だった。僕だったらこんないい加減なヤツは絶対に採用しない。
この会社は若者向け百貨店の仕事を引き受けていた。まさにナウでヤングな仕事をさせてもらっていたのだが、僕の経験ではまともに渡り合えるはずもなく、上司とクライアントのパシリだった。それでもまったく経験のないことを次から次へと経験できて楽しくて仕方なく、朝から深夜までよーく働いたものだ。そんななかで、七夕を恋人たちの日にするとのコンセプトでミッションがきた。クーっ、かっこいいじゃないかと上司とちょっとだけとんがったライブを仕掛けたら通った。僕は前述のとおりまだ使い手とは程遠かったが、この時に作ったフライヤーのやりとりは記憶に強く残っている。と、七夕は仕事小僧の頃の楽しい想い出である。
先日、駅でこれを見つけた。いろんな願いがあるもので、しばし楽しく眺めた。“〇〇とずっと一緒に、幸せに過ごせますように” 。名前を見ると女の子から男の子へ向けて書かれていて、同棲でもおっ始めたばかりだろうか。“松山大学に合格できますように” 。うんうん頑張れ、ファイト。“みんな元気で楽しく過ごせますように” 。これは人類愛だな。「イマジン」を歌うジョンの心境か。僕もカッコつけて書くとしたら、“世界に平和が訪れますように” とするかな。少し視点を狭くすると、最近神社仏閣でも必ずお願いしている、仲間の病気の回復だ。そしてさらに狭めると、もっと自分自身を練られるように。なんてのも反省気味に書きたい今日この頃である。つまらないことに腹を立てているバカな自分をむかつきながらも、絶対に許せないことってのもあるんだなと、自分の意外性に驚いていたりする。短冊に書くことで少しは収まるのかな? な〜んてな。
さてさて、明日みなさんはどんな願いを星に託しますか? この日くらい、それぞれがわがままにお願いしちゃいましょう。恋人や家族と願い事を語り合いながら過ごすのもよかろう。僕? 明日は重要な呑みニーケションを男3人で開催じゃ (泣) 。