ナショナル坊や。

先日、出張で西明石に出かけた際、駅にほど近いところにあった電気屋でこのキャラクターに遭遇した。“ナショナル坊や” といい、松下を扱う昭和の電気屋に飾られていた。を育ててくれた北村テレビ商会はナショナルを扱っていたから、店頭にこの坊やがいたのである。

 

ビクターの犬の ニッパー や、佐藤製薬の サトちゃん・サトコちゃん に比べるとメジャーでないかもしれないが、我が家では当然ながら坊やの方が馴染みがある。友達に頭をペシペシとやられると本気で怒ったりしたっけ。こんな店頭マスコットも昭和の原風景だなとつくづく思う。街の商店は激減したし、電気屋も多くが廃業している。

 

商売で苦労したからだろう、お袋は大きな会社に勤めるようにとよく言ってた。公務員も安定しているからいいぞと言われ、中坊の頃は教師になりたいなんてほざいたものだからさぞ喜んだことだろう。が、蛙の子は蛙じゃないが結局商売を始めてしまった。これはじいさんの代からだそうで、3代続いた商人の血なのだろうか。じいさんは当時珍しかった大型バイクを乗り回して営業に出かけていたそうだ。

 

なんだかナショナル坊やから飛躍してしまったが、これは松下の創業100年を記念してのものだそうで、なるほど台には “100” の文字と「パナソニックはおかげさまで創業100周年」と記述され、創業日は1918年の 3月7日とある。戦前から戦中、そして戦後を駆け抜けたのは、松下幸之助の強い理念と天才的なセンスの賜物であり、志を受け継いだ松下マンたちの努力だろう。そういえば親父は幸之助さんの本をよく読んでいたっけ。経営の神様と呼ばれた彼が、この坊やに込めた想いは何だったのだろうか。知っている松下マンがいたら投稿くだされ。

 

そして松下といえば、浅草の浅草寺の大提灯には今も偉大な男の名前が刻まれている。しかも社名は “松下電器産業株式会社” と記されているのが気持ちいい。お訪れたらぜひご確認あれ。僕は眺める度に、彼のおかげで我が家の生活を潤していただき、僕は毎日腹一杯の飯を食えたのだと最敬礼の気持ちになる。久しぶりに見た坊やにもそんな想いだった。
 

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2件のコメント

  1. スバル360の1号車も経営の神様が購入されましたね。

    • そうなんですね。情報ありがとうございます。頭に突っ込んでおきます。

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