今週から6月上旬まで、土日はほぼすべてイベント関連の仕事となる。『昭和40年男』に専念したいが、そんな余裕がないのは小さな会社の辛いところである。だが、これらに激しく動くことで誌面がパワフルになることも確信している。それに、すべてが中止や延期に追い込まれた去年よりもずっといい。心の底からそう思う春の到来だ。
昨日、今日の取材現場は静岡県の嬬恋だった。伝説の吉田拓郎コンサートが行われた会場だねって、ちょいと上世代の話かな。嬬恋リゾートで行われた『YMSF スポーツ・チャレンジャーズ・ミーティング』とのイベントだ。YMSFとはヤマハ発動機スポーツ振興財団の略で、この公益財団法人は、スポーツを通じて夢や目標を持つことの素晴らしさと、チャレンジすることの尊さを広く社会に浸透させようとの目的で、スポーツによって自分自社を磨き上げる人間を募りサポートしている。噛み砕くと、スポーツの世界で夢見る若者を資金援助しながら、精神的な指導を加えていくという活動である。
去年の今頃、助成を受けることが決定し(厳密な審査がある)、1年全力でがんばることを誓った約40名が集っている。彼らはこの1年、四半期ごとに自身のチャレンジを財団に報告し、その都度指導を受けて逞しく成長してきた。そして総仕上げに、各自がチャレンジの内容と過程を報告するのがイベントの主旨だ。
自身の取り組んでいる世界で高みを目指すアスリートたちが、次々にステージに立った。素晴らしい報告が数多くあり、次のロンドンオリンピックで「金メダルを目指します」などと、力強く宣言する若者もいた。いやあ、昭和40年男にビンビン響いてきた。また、アスリートだけでなく、スポーツに関わる研究にも同じく助成している。『日本統治下における台湾野球の文化研究』『筋再生加速化への挑戦』などなど、興味深いテーマの研究成果が次々と発表されていく。個人的におもしろいなと感じたのは、バットスイングにおけるウォーミングアップを研究したもので、マスコットバットを数回振ってからのバットスイングは、バットが軽くなって早くなったと錯覚するだけで、実は早くなっていない。むしろ負荷を減らしてのスイング後の方が早くなるとの研究結果だ。グギャー、うさぎ跳びを否定された時と一緒じゃないか。
数々の発表は目からウロコが落ちる連続で、楽しい取材となった。なにより真剣な若者の姿が僕に大きなエネルギーをくれたことはいうまでもなく、僕自身のチャレンジをもっと加速させていきたいとのパワーをもらったのだった。ありがとう、夢見る若者諸君!!