発売騒ぎで途切れていたが、権威あるアメリカの音楽誌、ローリングストーンが4年前に発表した、世界で最も偉大なボーカリスト100人なるランキングを今さら見つけて、私見をぶつけながら盛り上がってきた。思いがけず長期連載となったが、いよいよ残りも少なくなってきたぞ。では15位から、いってみよう。
おおーっ!! 15位にはロバート・プラントですか。16位のミックよりも上にいるのが不思議な感じがしなくもない。どうでしょう? レッド・ツェッペリンはこのブログ特別企画である『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』で詳しく書いたから、そっちも見て頂戴ね。ストーンズのライブフィルムの『レッツ・スベンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』とツェッペリンの『永遠の詩』の2本立て上映をよく観に行ったなあ。あの2本だとストーンズの方が楽しかった。キースがカッチョいいんだよね。って、いやいや、ロバートプラントの話だね。『コミュニケイション・ブレイクダウン』と『移民の歌』、『アキレス最後の戦い』あたりの歌いっぷりが好きだなあ。駄作として名高い『イン・スルー・ジ・アウトドア』収録の『アイム・ゴナ・クロール』も大好きだ。ハードロック系のシンガーではこの人より上にランキングされる人はいないだろうな。
続いてはアル・グリーン、ロイ・オービソン、リトル・リチャードと続く。偉大との基準になるとこういうことになりますな。なんとなくベストテンに入るシンガーが見えてくるじゃないの。
そして11位にポール・マッカートニーときた。フーム、これも“偉大”との基準がわかりやすい順位といえばいいかな。ジョンが間違いなく上にいることを考えると、フムフム、ベストテンがかなり絞れてきて、つくづくよくできたランキングである。ポールをシンガーとして見ると『ロング・アンド・ワインディング・ロード』がマイベストソングだ。何度聴いてもあの深みというか、素晴らしさに唸ってしまう。僕じつは中学時代はアンチビートルズで通していた。甘くてわかりやすくて教科書に使われている優等生な感じがどうにも嫌だった。ロックってどこか不良の臭いがしてほしくて、聴いている自分が背伸びしている感覚が虜になった根源だった。音楽の先生が、授業を円滑にするコミュニケーションに使ったのが、僕が決定的に嫌った瞬間だった。今考えるとなんと浅はかなのだろう。若さとはそんなものよ。