恐竜を特集して物議を醸した最新号 (vol.73) の編集後記に、人生で二度目となる救急車に乗ったことを書いた。これが巡り巡ったのだろう、バイク業界の知り合いに電話を入れると「北村さんが大病を患ったと聞きましたよ。大丈夫ですか? こちらからは連絡がしづらくて」と気遣ってくれた。人の噂ってのは伝言ゲームですなあ。
広尾で呑んだ帰り道で、徐々に左手首に力が入らなくなり、完全にアンコントロールになった。これはまずい。きっと脳の異常だと素人判断して、その場に座り込んで119番をコールした。待つこと数分で駆けつけてくれて、運ばれたのは会社の近くの救急病院だった。深夜だってのに、患者さんが多くてびっくらこいた。
翌日の夕方までにここを含んだ3つの病院を巡ることになり、結局は無罪放免となった。が、脳の検査の輪の中で、ぐわんぐわんとノイズを聞きながらじっとしている時は、不安ばかりがどんどん強くなり、脳腫瘍で余命いくばくもと言われたらどうしようなんて考えてしまう。この時ばかりは、最近のマイブームであるヤクルトの高須監督を見習っての「絶対大丈夫」は出てこない。病院てところは、いい発想にはさせてもらえないのである。
で、最終的に何かといえば、一時的な神経のバグみたいな診断でよくあることだと片付けられ、ビタミンB12が処方されたのだ。うん、ビタミンB12とな。3ヶ月ほど前に右手に痺れが出て整形外科にいくと、ストレートネックだと診断され、今すぐどうこうって話じゃないとこの時もビタミンB12が処方されたのである。神経の繋がりを滑らかにする、CRE 5-56 のようなものだろうか。
去年、初めて歯を失った。厳密に言えば、少しだけ残してあるが生まれて初めての経験はかなりショックだった。さらに先月はかぶれ物ができて皮膚科へ行き、眼がかゆいと眼科に出かけたら精密検査しようとなり、あれこれいじられたがこれについても無罪放免だった。この1週間ほどは首のせいなのだろう、また右手に痺れが出てきている。
要するに、おっさんなのだ。急激にあれこれ来てます来てますって感じで、すごーく嫌だ。深刻なのがないだけよしとしなければならぬが、やはり自愛が必要な年齢ということなのだろう。でもね、ひとついい発見があった。救急車と救急病院のクオリティを肌で感じ取れたことだ。さすがだな、日本と実感したのさっ。ちゃんちゃん。