ヤマハ発動機は、スキー場や山間部でのパトロール・救護活動といった業務から、ツーリングなどのレジャーまで幅広い用途で使用できるマルチパーパスモデル『RSViking Professional』と『VK540Ⅳ』をモデルチェンジする。
雪の振らない地域に済んでいると普段意識しないが、スノーモビルは、降雪地域でのレジャーやスポーツを中心に、山林の管理や日常生活での軽作業などの業務で幅広く使用されている。ヤマハ発動機は国内唯一のスノーモビル完成車メーカーとして、1968年以来生産を続けている。現在の国内総需要は約900台前後とされている。筆者は北海道生まれで、近所に除雪機やスノーモービルを持つ家も多かったが、冬季には実に頼りになる存在だ。山間部であればなおさらだろう。“わたスキ”世代の昭和40年男にとっては、スキー場でレスキューが乗るものという印象が強いかもしれない。
今回モデルチェンジする2車は、汎用的な用途を想定したマルチパーパスにカテゴライズされるモデルで、『RSViking Professional』は973ccの排気量を持つ4ストローク直列3気筒エンジンを搭載、一方の『VK540Ⅳ』は499ccの排気量を持つ4ストローク直列2気筒エンジンを搭載したモデルだ。
この2台には、新たに荒れた雪面や新深雪の走行性能、快適性を向上するPro Activeリヤサスペンションを採用。サスペンションの後端が跳ね上がるフリップアップ機構を最適化して後進時のスタック回避性やスタックからの脱出性を向上したほか、部品点数を削減し全体で約3kgの軽量化を達成している。また、新深雪の走行性能やけん引力を向上するため、雪を掻くトラックラグ(駆動輪の履帯部の段差)を1.25インチから1.375インチに高くしたカモプラスト社製(カナダ)のトラックを新採用。エンジンパワーをトラックに伝えるスプロケットも新設計し、トラクション性を向上している。また、前部のスキー部分には最大幅を180mmから228mmに広げたブローモールドワイドスキーを採用。雪に沈みにくい特性を強化しながら、スキー裏面の構造を変更し軽快な操作性と優れた新深雪走破性を実現している。
この他にも細かい変更がなされ、進化した新しいスノーモービルに仕上がっている。価格は『RSViking Professional』が136万5,000円、『VK540IV』が104万7,900円。11月1日(予約期間2012年3月5日~4月20日)発売予定で、国内全7機種合計で150台の販売を見込んでいる。