アメリカのロック専門誌、ローリングストーンが2008年に発表した“史上最も偉大なシンガー100人”なるランキングを見つけてしまい、ここのところ盛り上がっている。4年前のリストに私見をぶつけながら連載までしているバカは、おそらく世界中に僕くらいだろうが、昭和40年男にとって最高の歌うたいたちが並ぶ。僕たちベストテン世代だから、楽しいのは仕方ないよ。それでは今日も元気に35位から、いってみよう!!
悲しい知らせが届いたばかりの、ホイットニー・ヒューストンが34位にいる。デビューが85年で僕らは20歳のときだった。アメリカらしいシンガーといえばいいのかな、教会音楽がベースにきちんとある人って発声とリズムが独特だよね。それとものすごくパワフルなんだけど、やさしく包み込んでくれるバランス感覚があるのも、子供のころから自然と身に付いていく、やはり教会音楽の影響が大きいのだろう。もちろんそれだけじゃない素晴らしいシンガーで、惜しいですな。
続いて隣にはスティーブ・ウィンウッドがいる。うーむ、この人がこれほど高い位置にいるのはさすがローリングストーン誌っぽいな。ボーカリストのランキングと考えるとちょっと違うかなと。僕にとっては、ギターとボーカルを足してバランスされたスゴいミュージシャンとの捉え方だ。
続く32位はボノじゃないの。U2は、80年代以降のデビューバンドからベストテンを選出したら間違いなく入る大好きなバンドだ。昭和40年男にとっては好みの別れるバンドかもしれない。80年のデビューで国内でちょくちょく耳にし始めたころは、10代後半に差し掛かっていたタメ年たちが多いことだろう。音楽の選択肢が広がっていく時期で、しかも女の子と共有したいなんて年頃とも重なり、角の立ったU2の音楽はそのシチュエーションにはふさわしくない。ロック好きのためのロックと表現すればいいかな。僕が初めてU2の音にふれたのはアルバム『WAR』で、いきなり冒頭の『ブラッディ・サンデー』に完全ノックアウトされた。以来虜で、常に進化する姿勢には大いに学ぶ、生き方の教科書のような存在でもあるボノ先生です。
続いてキターっ!! ブルース四天王でまだランキングされていなかった2人のうち、ハウリン・ウルフが先に登場だ。この人のアルバムを初めて聴いたときの衝撃ったら、同じ人間の声とは思えなかったほどだった。名曲『スモークスタック・ライトニン』を聴いたとき、それまで聴いてきた歌はなんなのだと思うほどの衝撃を受け、その後の僕は人生の舵を失ってしまった(笑)。ジェフ・ベック・グループ時代のロッド・スチュワートがライブで延々20分ほど歌ったとかの伝説をなにかのライナーノーツで読んで、ハウリン・ウルフの名とともに曲名を記憶していた。マディ・ウォーターズに痺れ始めた頃にいろいろと仕入れたブルースの情報から、再びハウリン・ウルフの名にふれ、これは聴かねばならぬと中古レコード店で見つけて購入したのだった。それにしてもさすがローリングストーン誌だと、納得の31位でした。
今日は興奮したまま、これで閉じよう。好きなシンガーばかりのゾーンで、ちっとも進まないランキングでした。(続く)