ところが、退屈をガマンして何度も聴き込んでいくとあら不思議。
『ジャズ』はだんだんと飽きてくるのに対し
『オペラ座の夜』にはどんどん引き込まれていったのだ。
作品の評価が逆転するのに10日とかからなかったと思う。
それにしても毎日2枚を真剣に聴き込んでいたのだから
すごいよね。
初めて聴いた日にはイメージが合わなかった曲たちも、
1枚の完成度には不可欠に思えてきて、
またそれ以上に音楽センスの多様さも感じさせてくれた。
ナウマン象の連呼をする予言者の歌も、
そのコーラスはバージョンからの立ち上がりに震えるようになった。
そして“ボヘミアン・ラプソデイ”から“ゴット・セイヴ・ザ・クイーン”へと流れていくクロージングには、
涙さえ流すほどになった。
噛めば噛むほど味が出ることを知り
ますますクイーンにのめり込んでいった。
「メンバー4人のうちの誰が」というわけではなく
集合体として憧れた。
それまでのどんなヒーローとも違う感覚でとらえるようになったのであった。