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■俺の世界で遊んでほしい! そして、頭空っぽの果ての境地。
― それにしても、掟さんや芸人さんの他にも、『ヅラ刑事』主演のモト冬樹さん、『ロバマン』主演の吉田照美さんなど… 有名タレントの方々も、もはや “河崎組” スターとして勢ぞろいしてますよね。そもそも監督はどういった基準でキャスティングされてるんですか?
河: それはもう、僕の好きな人、映画に出て欲しい人に出てもらってるってだけです。そりゃ当り前じゃないですか! わざわざ嫌いな人に出てもらいたいなんて思わないでしょ? (笑)
― そりゃそうですね… (笑) 。でもたとえば、よく聞くような話で、呑み屋で知り会った人脈で…とかそういうワケでもないんですか?
河: いや、もうストレートに「映画作るんで出て欲しいんです!」って連絡して、お願いして…って一本釣りですよ。学生の頃の8mm映画で、石坂浩二さんや森田健作さんに手紙を書いて出てもらって、周りにもずいぶん驚かれたんだけど、やっぱりその時の感動があって。ずっとそうしてますね。
町: すごく健全ですよね。好きだから出てもらいました、っていうのは。
― ほぉ~、そうなんですね。でも、そうやって直撃して、ちゃんと好きな人に出演してもらえて、しかも今回のモトさんや照美さんのように、一度ならずまた友情出演もしてくれるというのは、やっぱり監督の人徳というか、ストレートな情熱が相手に伝わるからなんでしょうね。
河: 好きな人に会いたい、出てほしい、僕の映画の世界で遊んで欲しい! っていう気持ちのみですよ。町さんは会いたい人とかっていないの?
町: え~? あんまり…会いたくないですかね~ (笑) 。だって、好きな人、憧れの人が目の前にいたら、めちゃくちゃ緊張するじゃないですか。
―大好きな寅さんファミリーの方でも? お亡くなりになった人も多いですけど…、たとえば、ヒロシ役の前田 吟さんですとか。
町: う~ん… いや、やっぱりいいです (笑) 。
河: そうなんだねぇ。僕はやっぱり会いたいんですよ。今撮ってて来年公開予定の『突撃! 隣のUFO』も、もしもヨネスケさんがUFOに突撃したら…ってところから始まって、矢追純一さんや『月刊ムー』の編集長にも出てもらうしね。今日もこの後、ここ (ルナベース) に今話題のいしだ壱成が来るんですよ!
― おぉ~、それはスゴイ!
河: 仲代達矢さんも大好きなんで、いつか、なんとか出てくれないかって思ってるんです。フグが好きらしいんですけど、ウチの実家がフグ料理屋なんでね。ご馳走したら出てくれないかな?って。でも、出演作のリストで『椿三十郎』とか『影武者』とか錚々たる作品が並んだ後に、『タヌキ社長』みたいな僕の映画が書いてあったら、まさに‘“晩節を汚す” ってことになっちゃうか (笑) 。
― (笑) … そういえば、『シン・ウルトラマン』で主演の斎藤 工さんも、河崎監督の作品にはいろいろと出演されてるんですよね。劇中でも、その話が出てきましたが。
河: そうそう、レインボーのネタのシーンでね。工くんは僕の作品だと『兜王ビートル』『ヅラ刑事』『あっ! お皿に首が乗っている!』、そして『電エース 〜ハンケチ王子の秘密〜』では “雷エース” として出演してくれてます。本当は去年の『遊星王子2021』を『シン・ウルトラマン』の公開にぶつけたかったんだけど、向こうの公開が延期になってしまって便乗できなかったんですよ。でも、まさかのタヌキで便乗成功!となったんで笑いました。
― 結果オーライでしたね (笑) 。
河: お互い特撮好きってことで、庵野くんとも学生時代からの知り合いでね。予算の規模こそ違うけども (笑) 、僕も好きなコトばっかり楽しくやらせてもらってますよ。まぁ、お金のこととかはやっぱり大変なんだけどね…。でも、それも含めてやっぱり楽しい。幸せですよ。
― 自分が幸せだって言いきれるのはスヴァラしいですねぇ… うらやましいことです。まさに若大将よろしく「幸せだなぁ、僕ァ」って感じですね。
河: まぁ、ずっとやってるってだけだけどね。みうらじゅんが言ってたんだけど、「またやってる」が「まだやってる」になって、濁点が付くと尊敬される、っていうね。ドブさらいでもずっとやってればエライっていうか。で、やってれば、なんかの間違いで当たることもある。『いかレスラー』とか『日本以外全部沈没』とかはけっこうヒットしたんですよ。もう一回ぐらい、ああいう流れが来てくれ!って思ってるんだけど (笑) 。
― 先ほど、映画作りは楽しいけど大変、てお話もありましたけど、今回の『タヌキ社長』では、特にここで苦労したとかってありますか?
河: いや、あんまり (笑) 。映画ってのは何かとトラブルとか大変なことが起こるもんなんですけどね。まぁコレに関しては通常運転でスイスイ~とね。
ー スーダラでC調、バッチリですね~。実際、ヒットの手ごたえはいかがですか? 本家の社長シリーズよろしく、「タヌキ社長シリーズ」の展開を期待できそうでしょうか。
河: いや~、そりゃ当たれば考えるけどね。着ぐるみはもうあるわけだし、作ろうと思えば続編は全然作れますから。今回、東京や京都・兵庫の他に、愛知や沖縄にも舞台挨拶に行くんで、ぜひ観に来て欲しいですね。というか、こっちが行かないとなかなかお客さんも来てくれないんだけど (笑) 。まぁ、こんなご時世だからこそ、何も考えてないハッピーな映画で、頭空っぽにして時間つぶししてもらいたいですね。
―『タヌキ社長』… いわば究極のヒーリング映画かもしれませんね (笑) 。
河: そうだね。でもね、“何も考えない” って意外と難しくって、普通はできないんですよ。
― 確かに、人間ってついつい何かしら考えちゃいますもんね。
河: だから、それができる人ってスゴイんです。役者さんでも、“無” というか、”器” になれる人こそ、役が降りてきて、すばらしい演技ができたり、ずっと残るような存在感を発揮できたりするんじゃないかな。時には頭を空っぽにしてみるのも、大事なことだと思いますよ。
― なるほど。何も考えない…というその果てで、なんだかまた “禅の境地” みたいな深い話に着地しましたねぇ。ありがとうございました。では最後に… 監督にはもうたっぷり語っていただいたので (笑) 、町さんから、あらためて『タヌキ社長』の見どころをお願いします。
町: はい (笑) 。タヌキ社長がとにかくイイ人で、会社の人たちもイイ人ばかり。ストーリーもイイ話ですし、難しいこと抜き!で観られると思います。出演者の皆さんの演技や芸も面白いですし、わたしの歌もたっぷり楽しんでいただける映画なので、ぜひご覧になってください!
…といったワケで、明るく楽しくバカバカしいオタク道をまっしぐら! 絶好調の河崎 実監督と、自分に正直で忖度ナシ! やっぱり我が道を行く町あかりさんでした。
コロナに翻弄され、緊急事態宣言は解除されるも、先の見えない不景気、きな臭い世界情勢にドンヨリしがちな昨今。何も考えてない、考えないで済むバカ映画に救われることも大いにあるんじゃないでしょーか? 頭を空っぽにして楽しみたい人は、ゼヒ『タヌキ社長』を観に劇場へ!
現在公開中の渋谷ヒューマントラストシネマ、池袋シネマ・ロサをはじめ、6月から公開となる青森・沖縄など全国10館で上映されます。詳しいスケジュールは、河崎監督の製作会社・リバートップWebサイトの「映画『タヌキ社長』劇場情報」でご確認ください。
また、インタビュー中で触れられていた主題歌「恋人にもうみえない」の他に、町あかりさん作で掟ポルシェさんが歌う応援曲「うちの会社は会議が多い」のMVも、YouTubeの「町あかりチャンネル」にアップされてます。本編をもう観た人もまだ観てない人も、ゼヒぜひ要チェックですよ~。
ちなみに、やはりインタビュー中でも触れられていましたが、今回の『タヌキ社長』公開の大フィーバーの最中、河崎監督はすでに、“宇宙しゃもじ” を抱えたヨネスケさん主演で『突撃! 隣のUFO』を製作中。クラウドファンディングで見事目標を達成、先日には製作発表も行われ、現在撮影快調!とのこと。こちらも期待大です!!
■河崎監督&町あかりさんWサイン入り『タヌキ社長』パンフをプレゼント!
そして最後の最後に…『タヌキ社長』のパンフレットに、河崎実監督と町あかりさんの直筆Wサインをいただきましたので、読者プレゼントしちゃいます!
Twitterの『昭和40年男』アカウントをフォローして、この記事へのリンクツイートを “引用RT” 、ハッシュタグ “#タヌキ社長” と “#昭和40年男” を付けて、映画やこの記事のご感想などを投稿してやってください。〆切は 6月12日 (日) 中とします。当選は1名様のみの狭き門 (?) でスンマセン…なんですが、ドシドシご応募ください!
タマキンもふもふ『#タヌキ社長』公開! バカ映画の巨匠が令和に問う “シン・社長シリーズ” なのか!? 河崎 実監督&町あかりインタビュー!!
|#昭和40年男|S40ニュース!|https://t.co/O5Q73m0UO3#河崎実 #町あかり#社長シリーズ #男はつらいよ#ギララ #斎藤工#S40vol73 #ウルトラ怪獣の正体
— 昭和40年男|最新号vol.73は5/11(水)発売! 特集テーマは「俺たちだけの 恐竜博物館」!! (@s40otoko) May 24, 2022
(「昭和トリオ」 “Web担当A” ) ※文中一部敬称略
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