駅の売店でいつものように、週刊文春と小銭350円を差し出すとあと30円よこせとなった。春の特大号で特別定価だと表紙にうたってあり、たかだか30円のことながら損した気分だ。しかもページをめくっていくと次号から380円に値上げにすると明記されていて、なるほどこの号は移行するための離陸号のようなものなのだ。他の雑誌の定価をあらためて見てみると、文春と同価格だとばかり思っていたライバルの新潮は370円で、アエラは文春と同じく380円。最近ごった煮感が出てきた週刊現代は400円とすでに大台に乗っていた。週刊プレイボーイは290円で、最近値上げした愛読誌のビックコミックオリジナルと同価格で頑張っている。こうして並べてみるとみなさんきっと悩みながらも、えいやっと値上げに踏み切っているのだろう。文春の定価は値段の基準にすることがよくあり、余談ながら吉野家の牛丼もそのひとつである。何かを購入する際に、文春2冊分なのかとか、牛丼より安いのかといった具合に使っている。
昭和40年男の定価は創刊以来680円で貫いていて、綴じを変えた去年も定価に転化しなかった。この値付けは雑誌コーナーの棚を意識してのことで、緻密な原価計算や目標設定があってのものでなく、自分たちの本が然るべきコーナーに並んだときに、違和感のない値段を付けたつもりだ。なんだか消極的な考え方に感じるだろう、あまり格好よくないが、レジに運びやすくする最善の策である。本をパラパラとめくって最後に定価を見た瞬間に高いと思えば容赦なく棚に戻す。これだけ盛りだくさんの内容でこの値段だったら安いなと思ってもらうには、まずは棚での競合誌の値段と同じくらいのレベルにすることが重要だ。
さて、ここからPRさせていただこう(笑)。ここのところ好調に推移していて、宣言どおりホップステップに続く、いよいよジャンプ局面が見えてきた。勝負所と睨んだ監督は代打の切り札“あぶさん”を…、じゃなかった、勢いを重んじる編集長はここをターニングポイントと見定め勝負に出る。なんと次号はオールカラーでお届けする。しかも、増ページも仕掛ける予定で進めている。さらに…、これは後日のネタにとっておくか。それでなんと(ジャパネットたかたじゃないよ)680円の定価そのままっ!! おーっ、こいつはスゴい。文春風に攻めるなら春の特大号として730円くらいにあげる手もあるが、ここは踏ん張りどころの出血大サービスといかせてもらいます。編集後記ページにどんな色を付けようなんて、つまらないことに悩んでいるのも楽しい〆切直前の現場だ。さあ、勝負じゃ!!