発売後恒例となるつぶやき、大編集後記 (vol.73) は巻頭特集から第2特集の連載企画「夢、あふれていた俺たちの時代」へと移る。毎回昭和の一年を切り取ってお送りする、熱の入ったページが並ぶ大好きな連載だ。創刊の表紙で初めて使われたこのタイトルワードは、そのまま2号より連載特集として定着した。12年の長寿企画ということになる。昭和46年から63年を行ったり来たりしながら、一度だけ昭和45年を取り上げた。この時は巻頭特集が1980年だったため、対になるように1970年で作り込んだ。
今回は昭和49年だ。小学3年生になった年で、僕はこの頃から頑丈になった。小学1・2年生の頃はガリガリ君で、しょっちゅう扁桃腺を腫らしては高熱で学校を休む虚弱体質だった。が、「へ〜んしん、とおっ」のごとく、風邪もひかなけりゃあれだけ苦しんだ扁桃腺も腫れなくなった。今に続く頑丈ボディをなぜ手に入れられたのかは自分でもよくわからんが、大喰らいになったのはこのあたりからだ。やはり食うことだな。80歳を過ぎたお袋もものすごい量を食うもの。ってなんの話だ。小学3年生になった昭和49年だよ。
毎度担当編集者が悩みに悩んで完成させるのが、ご覧の「昭和40年男的 こころのベストテン」だ。このランキングに僕は口出しできない。それはかなりの偏りがあるからであり、それでなくとも変態的な雑誌なのだから黙っているのさ。で、今回はいかがなものか? みなさんに異論反論はござらぬか? ワンツーは入れ替わっても納得できるほどの貧差ではあるが、これでいいかな。秀逸なのは3位に『マジンガーZ』衝撃の最終回をランキングさせているところだな。解説文にあるように、衝撃の最終回だった。子供心にここまでやる必要があるのかと、悲しい気持ちになったのを記憶している。
そして6位にランキングされている、空手人気もナイスだ。ブルース・リーだけに絞るのではなく『空手バカ一代』や千葉真一さんの空手映画を絡めてのランキングだとしているのがよい。僕は一度、極真の大会で大山倍達さんの演武を生で観る幸運に恵まれた。いやあ、本当に後光が差しているかのような巨人に感じられ、人間とはこんな力をまとうことができるのかと驚嘆と興奮をして、自分を高めるのだと希望に燃えて代々木体育館を後にした。とまあ、このページの楽しみ方はランキングに対して、それぞれの自分感で遊んでいただきたい。楽しい楽しいこころのベストテンですな。