最近吉野家が僕と距離を置いている気がする。店舗デザインがちょっと似つかわしくなくかっこよくなり、さらには僕が大嫌いなタッチパネルを採用した。だがおそらく、これでなかったら僕と黒カレーの出会いはなかった気がする。牛丼並・汁だく・卵からまず浮気をしない僕なのだが、“黒カレー” という言葉と牛も食えるならとオーダーした。この日、もしもお姉さんが来ればきっと「牛丼並汁だく卵」とニヒルに決めていただろう。
待つこと少々、牛丼とカレーの夢のコラボだ。うんうん、うまそーである。牛はもちろん安定感抜群で、まずはそちらを平らげた。一緒に食うなんてそんな贅沢が、庶民の僕にできるはずがない。そして黒カレーである。僕は常々 “キレンジャー” を名乗っていて、そういう意味ではこれはカレーではない。“キ” でないのだから。それでも天下の吉野家の本気カレーである。ワクワクドキドキしながら一口運んでみた。??? さらに一口運んでみた。「うーむ、うまいのだけどちょっと違うなあ」と心がつぶやいた。「なんでだろう、何がいけないのだろう」と考えながらスプーンを運び続けた僕だ。
吉野家といえば現在ちょっとした騒動になっている。「田舎から出てきた若い女の子を牛丼中毒にする」「生娘をシャブ漬け戦略」とはなんとも凄まじい。問題発言が得意の僕も、さすがにここまで破壊力のある発言はしたことがない。さらに謝罪文を本人が書いたなんて報道も散見されるじゃないか。いやあ、こりゃあまいったな、長年吉野家を愛し続けてきた僕としては残念でならない。
黒カレーを食べ終えて僕なりの結論を導き出した。「らしくない」である。牛丼のようなど真ん中ストレートでぶつけてきて欲しいと思ってしまうほど、どことなく上品なのだ。店舗のデザインがかっこよくなったことや、タッチパネルの採用とちょっとかぶる。そんな味に感じた。上記の発言以前に食したのだが、しゃぶ漬けにするほどのパワーはまったく感じられなかった。その意味でもやはりこの発言は大問題だよ、チャンチャン。