梅田からナンバまで。

先日、バイクイベントで大阪に出かけたきた。何度きてもいい街で、日本人ばかりでごった返すミナミは気分が大変よろしかった。いやいや、早く外国人観光客でごった返してくれないと、観光関係のみなさんに笑顔が戻らないな。で、この写真は御堂筋のアチコチに設置されている像の一つで、幾度となく歩いていながら初めて気がついた。

 

上田正樹さんは、「悲しい色やね」をヒットさせる以前は泥くさいジャパニーズブルースを歌っていた (今も) 。ギタリストの有山じゅんじさんとの相性も抜群で、二人は今も一緒に活動していたりする。’70年代の名曲に「梅田からナンバまで」というのがあり、その曲名のまま大阪を代表する繁華街ふたつを結んで散歩しましょうという歌だ。大好きな曲で、カラオケでもちょくちょく歌う。4キロちょっとだからゆっくりあれこれ見ながらで1時間半ほどのコースだ。この日はナンバが宿だったから、曲とは逆ではあったが、口ずさみながら久しぶりのリラックスタイムを満喫できた。ショートオフである。

 

ナンバは “ミナミ” と言われ、が彼の地に住み始めた昭和60年に知り合った地元人に言わせると「東京で言うと新宿や」とのことだった。で、“キタ” と言われる梅田は「東京で言うと渋谷やな。で、北新地が銀座や」と教えてくれた。これまた上田正樹さんの古い名曲に「あこがれの北新地」というのもあり楽しい曲だ。大阪は南北に走る通りを “筋” とよび、東西を “通り” と呼ぶこともこの時に彼から教わり、便利な街に感心させられたものだ。「梅田からナンバまで」では ♪散歩しましょう、御堂筋でも〜 と歌われている。まさに南北道である。

 

その下を通っている地下鉄の御堂筋線の駅でいうと、難波〜心斎橋〜本町〜淀屋橋〜梅田を行く。心斎橋から段々とオフィス街へと姿を変えていき、経済の中心地になる。と、思ったらまたもや繁華街である。たった4キロと少しでまるで大阪を凝縮するかのようなコースであり、こうしたアートが彩っていたとは恐れ入った。心にゆとりを持って歩くことで、見つかるものってのがある。忙しく過ごしているばかりでは大切なものを見落とすのだよと、自分への教訓を見つけたのだった。ほんの4キロでも旅は楽しである。
 

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