春は別れの季節、そして出会いの季節。

３月が終わっちまったい。このまんま死に向かって時速300キロですっ飛ばしているかのごとく、月日に振り落とされそうになっているおっさんだ。今日で一年を締めて、明日より新年度という方が多いだろう。つまり今日は大晦日だから呑むぞー。そして明日は元旦だから呑むぞー、えいえいおーっ (バカな俺です) 。

最新号 (vol.72) で特集したとおり、春は別れの季節である。仕事関係のお付き合いでは、明日より部署を異動になる方が何人かいて、仕事上ではお別れとなる。僕は自営業暮らしが長く、その前も異動もへったくれもない小さな会社だったから部署を変わるという経験がない。辞令を受けた皆さんよりの悲喜交交を聞いていると、経験してみたいことにも思えてくる。50代にして「ヘーンしんっ、とおっ」のチャンスだととらえれば、ポジティブシンキングじゃないのかなあ。な〜んて未経験者の無責任だな。

長く勤めてきて、退社の道を選ぶ同世代諸氏も近年激増している。もう一度新しい人生を切り開く覚悟を決めて燃えている方々だ。これまた「ヘーンしんっ、とおっ」なわけで、めいっぱいのエールを送りたい。幸多かれと願う。人生100年時代とは僕にとっては信じがたいものの、グーンと長くなったことは間違いなく、それによって人生の選択肢は増えた。かつての年齢感覚の象徴と言えばいいだろうか、磯野波平さんが54歳だからもう僕よりも年下である。いつの間にか追い越してしまい「メロンパン買ってこい」と命じてもいい年齢になったことがびっくり仰天である。フネさんに関しては、サザエさんの公式サイトに50ン歳としてあるのはレディに対しての気遣いがさすがであるが、５月に僕らのイベントに出演してくれる早見 優さんよりずいぶんと年下ということになる。最近の女子は恐ろしい。

3月31日といえば僕にとっては特別な日で、ふたつ目の誕生日なんだと位置付けている。41年前の今宵、６人の15歳の男たちは将来を誓い合い、人生の旅に出た。「ロックで食う」である。夢なんざ見ないより見た方がいいに決まっているが、教師になろうと一応路線には乗っていたもののこの日より完全に外れた。後に入学して高校に通ったのは、合格祝いで両親にギターを買ってもらった義理に過ぎず、音楽一本に絞りたいと願い続けた３年間だった。もちろん、いろんな経験ができたし友も得たから今振り返って無駄とは思わないが、授業の時間は作詞かカバー曲の歌詞の暗記、そして夜遅くまでの練習やバイトで足りていない睡眠にあてた。前日の3月30日まで教師を夢見て希望に燃えていたのに、人生ってのはララだな。そして、我が青春に悔いなしである。

前述したように、異動だったり退職という選択をした方は、41年前の僕のように明日以降にでっかく夢を広げて欲しいと願う。そして僕自身も、仕事で数々の夢を掲げている真っ只中だし、音楽活動もいよいよ再始動である。この２年と少しスタジオに入れなかったが、つい先日相棒と連絡を取り合ったところだ。まずは小さな箱でライブをぶちかまし、その音源と画像を使ってプロモーションを仕掛ける。見てろ～、『昭和ジェネレーションパラダイス』に出演してやる。な～んて、やっぱり夢はいいものですな。青春は枯れずですな。